knjrの日記

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生命の暗号

〔文庫〕生命の暗号 (サンマーク文庫)

〔文庫〕生命の暗号 (サンマーク文庫)

  • 人間の遺伝子はA、T、C、Gからなる30億の膨大な遺伝情報をもちながら、実際に働いているのは5%程度であり、そのほかの部分はOFFの状態である。
  • 「病は気から」という言い方があるが、これこそ遺伝子が関係しているのではないか。幸せに関係する遺伝子は、だれの遺伝子にも存在しているはずで、それをONにすれば今まで眠っていてOFFになっていた遺伝子を起こすして働かすことができるのではないか。幸せをつかむためには、日常生活をはつらつと前向きに生きること、そういう生き方が、幸せを感じるのに必要な遺伝子をONにしてくれるのではないか。
  • 大腸菌は主にブドウ糖を食べているが、たまに乳糖を一緒に与えてもブドウ糖を選んで食べる。そこでブドウ糖を全く与えずに、乳糖だけを与えたところ、しばらくは食べるのをやめていたが、まもなく乳糖を食べだし乳糖だけで増えていくことができた。調査の結果、乳糖をを消化する能力は新しく身につけたものではなく、前々から持っていた能力だった。すなわち大腸菌ブドウ糖だけ食べていた時には遺伝子がOFFになっており、乳糖だけしか与えられなくなり、それを消化する必要が出てきて遺伝子をONになって新しい能力が発現した
  • 遺伝子をONにさせる要素は①遺伝子自身、②環境、③心のはたらき。その中で遺伝的要素が一番誤解されている。「親の遺伝だから仕方がない」という人が多い。たしかに頭の良しあしや運動能力は遺伝的要素が関係するが、自分の中にも優れた要素がないわけではない、あるけどONになっていないだけ。天才は代々引き継がれてきた遺伝的要素が何かのきっかけでONになった人だと考えられる。
  • 基本的に遺伝子は老化しない。十代のときと八十代のときの遺伝子は一部の例外を除いて一緒である。すなわち、人間はいくつになっても、自分の才能を開花させる能力をもっている。
  • 遺伝情報は人によって少しずつ違っており、一人として同じ遺伝子の人間はいない。そのことが顔つきだけでなく、その人の個性や能力の違いになって表れている。「人はみんなすごい能力の持ち主なんだよ」という言い方は、なぐさめの言葉ではなく、文字通りに受け取ってよいのである。ところが日本の今の教育は遺伝子のあり方に逆行している。偏差値は記憶中心に優劣を判断しているが、人はそれぞれ独自の多様な遺伝子を抱えていて、それがONになる時期や方法はそれぞれ違っている。そのため画一的な教育では、一部の人間の能力しか引き出せない。
  • 人間の成長の邪魔になる阻害因子は、人間のもつ悪い欲望(飲む、打つ、買う・・・)ではなく、むしろものの考え方にあるのではないか、自然に反する考え方ではないか。人間は様々な価値観を持ち善悪の基準も必ずしも一様ではないが、「遺伝子のはたらき」だけは動かせない事実である。生命を守り、生命を育んで、楽しませる方向に遺伝子がはたらくのは、自然の法則に合致したとき。私たちは自然というものをよく観察して、その法則に合致した生き方をすればよい。それができれば、自分でも信じられないくらいすごい力を発揮できるようになるのではないか。