knjrの日記

登山を中心に野鳥撮影や鉄道、写真、カメラ、旅行、読書記録などの思いつくままに

夏の高山でしか出会えない ― ルリビタキ幼鳥

7月末の塩見岳~北岳の縦走中の話。途中でルリビタキの声は何度も聞きましたが、とあるところで幼鳥の群れに遭遇しました。

ルリビタキは夏の間、標高1500m以上の亜高山帯から高山帯にかけて、ダケカンバ林や針広混交林など、明るい林より薄暗い林を好んで生息します。今回出会った場所も、まさにピークとピークの間のコルにひっそりとある薄暗い森。そうした環境を好む彼らにとって、絶好の場所なのでしょう。

ちょうどこの時期は、繁殖を終えた幼鳥たちが巣立ち、親元を離れて過ごし始める頃。そのため、一帯に複数羽が固まって現れたのかもしれません。

登山道の脇なのですが、訪れる人もかなり少ないせいか、少し立ち止まっていると周りに次から次へと幼鳥(複数の個体)が現れます。

ちなみに、ルリビタキのオスがあの美しい瑠璃色になるまでには2年ほどかかるそうです。幼鳥はまだオリーブがかった褐色ですが、よく見ると尾羽の付け根にはうっすらと青色が差しており、いずれ訪れる瑠璃色を予感させる、そんな一瞬でした。

ノンビリしたかったのですが、長い縦走の途中で時間も限られており、十数分ほどの滞在でその場を去りました。
冬に低地へ降りてくる姿とはまた違う、夏の高山でしか出会えないルリビタキの幼鳥たち。これに立ち会えたことが、夏山登山と野鳥観察の大きな醍醐味の一つだろう。

 

高山の野鳥たち(2026南アルプス 塩見岳~間ノ岳~北岳)

今年も夏山縦走に出かけました。

塩見岳から間ノ岳経由で北岳にぬける3泊4日の縦走コースです。途中で蝙蝠岳と小太郎山にも立寄っています。

3000m級の山々をつなぐ縦走路の途中で、鳥さんにも出会っていますので、ここで報告しておきます

まずは雷鳥。途中で二度ほど出会いました。いずれも子供を数羽連れていました。

山での雷鳥の親子は心を和ませてくれます

山の中で見かけることは少なくないですが、相変わらず絶滅危惧=保護の必要があるとのことです。

 

次はイワヒバリ。その名のとおり、岩場で現れることが多いです。行程中に4,5回出会いました。

この個体は人の近くでフラフラ。雷鳥のようでした

 

ウソ(雄)。冬場は低山で出会いますが、夏はこんな高山まで来ていました。ピンク色の首輪の発色が見事

 

ヒンズイです。餌をくわえています。子育て中でしょうか

 

最後はルリビタキ(雌)

登山道の脇の木の枝で鳴いていました。

このルリビタキは行程中に十数回「ヒーヒー」という声は聞こえているのですが、写真に撮れたのは↑の1チャンスだけでした。

 

あとは高山と言えば「ホシガラス」。姿は何度か見ているのですが、写真のタイミングが合わず。今回は写真はありません

 

大菩薩嶺でルリビタキ

夏山縦走前のトレーニングで標高2000mの大菩薩嶺へ。標高高めなのでルリビタキを期待。
丸川峠からの人が少なめのコースの、山頂手前で「ヒーヒー」という雌の声を確認。辺りを探してみると、青い雄がうろうろしていました。

その後大菩薩嶺の山頂に立ち寄った後、下山途中にヒンズイも確認。

 

eBirdで鳥を名前から探す:アリサンヒタキはどこにいる?

前回の記事では、ホットスポットを起点に「その場所にどんな鳥がいるか」を調べる方法を紹介しました。今回はその逆――「この鳥、どこに行けば見られるの?」を鳥の名前から調べる方法を紹介します。台湾固有種のアリサンヒタキを例に見ていきましょう。
注意:この記事で紹介する「個々の観察地点をピンで確認する」機能は、eBirdにログインしないと使えません。アカウント登録は無料なので、事前に作っておきましょう(ebird.org 右上の「Sign Up」から数分で登録できます)。

使うのは「Explore Species(種の検索)」機能

eBirdには、ホットスポットから探す方法とは別に、鳥の名前から探す「Explore Species」という機能があります。

基本の手順

  1. ebird.org にログインする
  2. 上部メニューの「Explore(検索)」→「Species(種の検索)」を選ぶ
  3. 見たい鳥の名前を日本語または学名で入力する(例:「アリサンヒタキ」)
  4. 表示された種のプロフィールページを開く


種のプロフィールページには、レンジマップ(生息範囲図)・週別の頻度グラフ・写真や鳴き声のギャラリーなど、その鳥に関する情報がまとまって表示されます。ここまではログインしていなくても閲覧できます。

 

アリサンヒタキ(Taiwan Shortwing)は、台湾の山地林の林床や下草に生息する固有種。学名は Brachypteryx goodfellowi です。姿を見せることは少なく、藪の中でひっそり暮らす鳥として知られています。

ここからが本題:「Large Map」で個々の観察地点を見る

種のプロフィールページに表示されるレンジマップは、生息範囲をざっくり示す地図です。しかし、「実際にどのピンポイントの場所で観察されたか」を知るには、レンジマップ右上の「Large Map(大きな地図)」を開く必要があります。

Large Mapを開いてズームアウトした状態では、観察数に応じて色分けされた格子(グリッド)が表示されます。そしてズームインしていくと、個々の観察記録を示す赤いピンが地図上に現れます。このピンをクリックすると、いつ・誰が・どこで観察したかの詳細(チェックリストへのリンク)まで確認できます。

ここがログイン必須ポイント:グリッド表示までは未ログインでも見られますが、ズームインして個々の観察ピンを表示する操作にはログインが必要です。ログインしていない状態だと、地図はぼんやりしたグリッドのままで、「具体的にどこで見られたか」までは分かりません。

実例:アリサンヒタキをLarge Mapで探してみる

台湾でアリサンヒタキを探したい場合、次のような手順になります。

  1. ログイン後、Explore Speciesで「アリサンヒタキ」を検索
  2. 種のプロフィールページが表示されます。右下に表示されるレンジマップの「大きな地図」をクリック
  3. 台湾中央の山岳地帯(阿里山・大雪山・合歓山など標高1,500m以上のエリア)にピンが集中しているのが分かる
  4. 気になるピンをクリックして、実際の観察日・観察者のチェックリストを確認する

前回の記事で紹介した阿里山や大雪山のホットスポットも、まさにこのピンが集まっているエリアの一つです。「Explore Species」で鳥から探して当たりを付けたエリアを、前回紹介した「ホットスポットの頻度グラフ」で裏付ける――という組み合わせで調べると、より確度の高い下調べができます。

実践アドバイス:Large Mapの左上にある期間フィルター(日付範囲)を、自分が渡航する予定の時期に合わせて絞り込むと、「その時期に実際にピンが立っている場所」だけが表示されるので、より実践的な下調べになります。

ホットスポット起点の調べ方との使い分け

  ホットスポット起点(前回の記事) Explore Species起点(今回の記事)
向いている場面 行き先はある程度決まっていて、「そこで何が見られるか」を知りたいとき 見たい鳥は決まっていて、「どこに行けば会えるか」を知りたいとき
見られる情報 スポットごとの全種類の頻度グラフ 1種類に絞った、世界中の観察地点
ログイン 不要 個々の観察ピンを見るには必要

この2つは行ったり来たりしながら使うのがおすすめです。「見たい鳥」から大まかなエリアを絞り込み(Explore Species)、そのエリアのホットスポットで具体的な頻度や他の共演種も確認する(ホットスポット検索)、という流れが効率的です。


まとめ

  1. 見たい鳥の名前で「Explore Species」を検索する
  2. まずは統計データでベストシーズンの見当をつける
  3. ログインした状態でLarge Map(大きな地図)を開き、ズームインして個々の観察ピンを確認する
  4. 期間フィルターを渡航予定時期に合わせて絞り込む
  5. 気になるエリアが見つかったら、ホットスポット検索で他の鳥との組み合わせや頻度を確認する

「この鳥、そもそもどこに行けば会えるんやろ?」という疑問も、eBirdのExplore Species機能を使えば、地図の上で具体的に絞り込んでいくことができます。ログインだけ忘れずに、ぜひ試してみてください。


本記事の情報はeBird(ebird.org)の仕様に基づいています。機能の詳細は今後変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

参考:

海外探鳥、どこへ行けばいい? 無料ツール「eBird」で下調べする方法

 

海外で野鳥を見てみたいけれど、「どこへ行けばいいのか」「自分が見たい鳥はいるのか」「いつ行けばいいのか」が分からなくて踏み出せない――そんな方に向けて、無料ウェブサービス eBird(ebird.org)を使った下調べの方法を紹介します。


eBirdとは?

eBirdはアメリカ・コーネル大学鳥類学研究室が運営する、世界最大の野鳥観察記録データベースです。世界中のバーダーが投稿した観察記録が蓄積されており、どこで・いつ・何の鳥が・どのくらいの確率で見られるかをグラフで確認できます。

しかも無料・日本語対応。登録なしでも閲覧できます。

以下の記事で紹介する「%」の数字は、いずれもその時期にその種が観察される頻度(過去の観察記録のうち、その種が記録された割合)を表しています。100%に近いほど「行けばほぼ会える」、数%なら「運が良ければ会える」というイメージで読んでください。

使い方の基本:「ホットスポット」を検索する

eBirdでは鳥の見どころスポットを「ホットスポット」と呼びます。有名な探鳥地はたいていホットスポットとして登録されており、そこに蓄積された観察記録を誰でも見ることができます。

検索手順

  1. ebird.org を開く
  2. 上部メニューの「検索」→「ホットスポットの検索」を選ぶ
  3. 行きたい場所の地名を入力(例:「Alishan」「Dasyueshan」「Taiwan」)
  4. 表示されたホットスポットをクリック
ホットスポット検索画面

画像1:ホットスポット検索画面。地名を入力すると、候補となるホットスポットが一覧表示される。

ホットスポットページには「代表的な鳥」というタブがあり、各種の下に1年52週分の頻度グラフが表示されます。棒が高いほどその週に見られる確率が高く、月フィルターで特定の月に絞り込むこともできます。

代表的な鳥タブの頻度グラフ

画像2:代表的な鳥タブの頻度グラフ。各種の名前の下に週ごとの頻度グラフが並ぶ。月フィルターで見たい時期だけに絞り込める。

コラム:「全区(束ねたデータ)」と「ピンポイントのホットスポット」の違い

実はeBirdのホットスポットには2種類あります。

  • ピンポイントのホットスポット:駐車場や展望台など、特定の一地点を指す個別のスポット
  • 親ホットスポット(グループ/「全区」):周辺の複数のピンポイントスポットを束ねて、まとめて集計したデータを表示する場所

この記事で紹介している「阿里山森林遊楽区全区」「大雪山林道全区」は、まさにこの親ホットスポット(束ねたデータ)にあたります。名前に「全区」「全域」などと付いている場合は、単一地点ではなくエリア全体の合算データだと考えてください。

合算データにはメリット・デメリットの両方があります。

  メリット デメリット
全区(束ねたデータ) チェックリスト数が多く、統計として安定しやすい エリア内の環境差(標高・植生など)が平均化されて見えなくなる
ピンポイントのホットスポット その一地点特有の傾向がそのまま分かる 投稿数が少ないと数値がブレやすい

ホットスポット検索の結果画面では、地図上のピン一つひとつが個別のピンポイントスポットのことが多いので、「全区」ページだけでなく、気になるピンも合わせてクリックしてみると、より詳しい傾向がつかめます。


実例①:同じ場所でも季節によって全然違う

台湾・阿里山(嘉義-阿里山森林遊楽区全区 / L1758340)

台湾中南部に位置する標高2,200mの山岳エリア。5月と10月でどう違うか比べてみました。

種名 5月 10月 差(10月-5月)
アリサンヒタキ 24% 42% +18
タイワンウソ 2% 17% +15
チャイロウソ 14% 26% +12
ゴジュウカラ 14% 25% +11
ミカドキジ 4% 9% +5
ニイタカキクイタダキ 27% 32% +5
ズアカエナガ 19% 23% +4
シマドリ 35% 38% +3
キバラシジュウカラ 52% 54% +2
タイワンキンバネガビチョウ 35% 35% 0
チャバラオオルリ 36% 29% -7
ルリチョウ 36% 29% -7
ミヤマヒタキ 14% 5% -9
コンヒタキ 28% 16% -12
ヤブドリ 77% 65% -12
ミミジロチメドリ 67% 14% -53

阿里山では5月と10月で明確に違いが出る種がある一方、差がわずかな種も多いことが分かります。特に目立つのは、ミミジロチメドリ(5月67%→10月14%、差53ポイント)の大幅減少と、アリサンヒタキ(差18ポイント)・タイワンウソ(差15ポイント)の10月増加。見たい鳥によってベストシーズンが変わることが一目で分かります。


実例②:同じ季節でも場所によって全然違う

5月の阿里山 vs 大雪山林道

台湾中部・台中市にある大雪山(標高2,000〜2,700m)は、阿里山と同じ山岳エリアでありながら記録される鳥が大きく異なります。5月で比べてみました。

種名 阿里山(5月) 大雪山林道(5月) 差(大雪山-阿里山)
ズアカエナガ 19% 59% +40
ベニサンショウクイ 5% 38% +33
タイワンシジュウカラ 0% 33% +33
チャバラオオルリ 36% 60% +24
ルリチョウ 36% 58% +22
タイワンキンバネガビチョウ 35% 51% +16
ハナドリ 10% 22% +12
キバラシジュウカラ 52% 62% +10
ゴジュウカラ 14% 23% +9
アリサンヒタキ 24% 26% +2
シマドリ 35% 37% +2
カワビタキ 13% 12% -1
ヤブドリ 77% 32% -45

大雪山林道ではズアカエナガ(差40ポイント)・ベニサンショウクイ・タイワンシジュウカラ(差33ポイント)など多くの種で遭遇率が高く、阿里山の3倍以上になる種も。一方、ヤブドリは阿里山(77%)が大雪山(32%)を45ポイント上回ります。同じ「台湾の高山探鳥」でも、場所ごとにキャラクターが全く異なることがよく分かります。

実践アドバイス:大雪山のように標高差(2,000〜2,700m)があるエリアは、「全区」の合算データだけだと低地寄りの鳥と高地寄りの鳥の傾向が平均化されてしまいがちです。ピンポイントのホットスポット(例:大雪山林道の23K地点、35K地点など標高別のスポット)も個別にチェックすると、「自分が行く高さで何が見られるか」がより正確に分かります。地図上のピンをクリックして、気になる標高帯のスポットも覗いてみましょう。

eBirdでできること

  • 見たい鳥がどの季節・どのスポットにいるかを確認する
  • 複数スポット・複数の季節の遭遇率を比較する
  • 過去の観察記録(写真・音声付き)を見る
  • 探鳥地の地図を確認する

まとめ

eBirdを使えば、海外探鳥の計画が格段に立てやすくなります。

  1. 見たい鳥を決める
  2. ホットスポットを検索して、その鳥の遭遇率が高いスポットを探す
  3. 「全区」か「ピンポイント」かを確認し、必要なら両方の傾向を見比べる
  4. 月別グラフで時期を絞る
  5. 複数スポットを比較して最適な場所を選ぶ
  6. 天候・交通・宿泊の現地情報と組み合わせて最終プランを作る

「どこへ行けばいいか分からない」という海外探鳥最大のハードルを、eBirdは大幅に下げてくれます。ぜひ試してみてください。


本記事のデータはeBird(ebird.org)の観察記録に基づいています。頻度は過去の観察記録の平均値です。

ホットスポットID:阿里山森林遊楽区全区 L1758340大雪山林道全区 L1668221

AIに頼んだら野鳥管理Webアプリができた話

最近はバイブコーディング(人間が手作業でコードを記述する代わりに、AIと対話しながらアプリを生成・改良していくソフトウェア開発手法)で簡単にアプリが開発できるとのことでしたので、私もやってみました。

作ったのは「野鳥観察マップ」。GPXファイルと野鳥の写真を登録すると、日本地図上に観察記録がサムネイル付きで表示されるアプリです。台湾遠征の記録も日本の山の記録も、同じ地図の上で管理できます。

できた機能

📍 GPXルートを地図上に青線で表示
📍 写真のEXIF撮影日時とGPXのタイムスタンプを自動マッチングして位置を特定
📍 観察記録を日付・場所ごとにグループ表示(場所名はOpenStreetMapで自動取得)
📍 鳥種・月・GPXルートでフィルタリング
📍 eBirdと連携して鳥名を正規化(species codeで直接検索も可)
📍 CSV出力(日付・場所・和名・英名・eBird URLつき)

 技術構成

- フロントエンド:React + Leaflet.js
- バックエンド:Python FastAPI
- DB:SQLite
- 開発環境:Windows 11 + VSCode + Claude Code

構成もお任せ。コードは一行も自分で書いていません。すべてClaude Codeへの日本語指示で生成しました。

開発の手順(概要)

1. 環境準備**

Node.js・Python・Gitをインストールして、Claude Codeを`npm install -g @anthropic-ai/claude-code`で導入。

2. プロジェクト作成**

フォルダを作って`claude`を起動。日本語で「こんなアプリを作って」と伝えるだけでファイル一式を生成してくれます。

3. 機能追加はすべて会話で**

「EXIFとGPXをマッチングして位置を自動入力してほしい」「一覧を日付ごとにまとめて」など、やりたいことを日本語で伝えるだけ。

4. エラーが出たらそのまま貼る**

ブラウザのコンソールに出たエラーメッセージをそのままClaude Codeに貼り付けると、原因を調べて修正してくれます。

やってみての感想

スタートから数時間で大枠が完成。あとは細かい要望を伝えて、数日で実用的なアプリが動くようになりました。詰まったときも「エラーが出た」と伝えるだけで解決策を出してくれるので、挫折しにくいのが最大のメリットだと思います。

野鳥観察の記録をデジタルで管理したい方、ぜひ試してみてください。

 

MerlinアプリとYAMAPのGPXデータでGoogleマップに野鳥観察地点をマッピングする方法

先日訪れた台湾・阿里山での野鳥観察地点をGoogleマップ上に可視化できないか、AIを使って試してみました。

結果、↑のイメージのようなものができました。鳥の細かい位置までわかってしますので、公開用ではなく、あくまでも個人用ですが、 Merlinアプリで録音した鳥の声データと、YAMAPで記録したGPS軌跡を組み合わせることで、 「どこでどの鳥を観察したか」が地図上で一目でわかるマップが作れました。

この記事では、その作り方をステップバイステップで解説します。


必要なもの

ツール 用途

Merlinアプリ( Cornell Lab製、無料)

https://ebird.org/region/JP/partners/merlin

野鳥の鳴き声をAI識別・録音
YAMAPアプリ(または同等のGPSロガー) 移動軌跡をGPXファイルで記録
カメラ(オプション) 写真撮影。EXIFの撮影日時を位置照合に使用
Claude(AI) データ処理・KMLファイル生成
Googleマイマップ(無料) KMLをインポートして地図表示

STEP 1:フィールドでのデータ収集

1-1. YAMAPでGPXを記録する

  • 外出前にYAMAPのトラッキングを開始する
  • 終了後、YAMAPアプリからGPXファイルをエクスポートする
    • YAMAP → 活動日記 → 詳細 → 「GPXをダウンロード」

ポイント: GPXファイルには数秒おきの位置と時刻が記録されています。 これが鳥の観察位置を特定するための「地図」になります。

1-2. MerlinアプリでSound IDを録音する

  • Merlinアプリの「識別」タブ → 「Sound ID」を起動
  • 鳥の声が聞こえたら録音開始、終わったら停止
  • アプリが自動的に鳥の種を識別してリスト表示する
  • 重要な記録は「保存」ボタンで保存しておく

ポイント: 録音画面のスクリーンショットを撮っておくと後で便利です。 iPhoneの場合、スクリーンショットには撮影時刻が画面上部に表示されます。

1-3. カメラで写真を撮る(オプション)

  • 通常どおり野鳥を撮影する
  • カメラの時刻が正確であることを確認(タイムゾーン設定も重要)
  • JPEGファイルにはEXIFデータとして撮影日時が自動記録される
  • GPS機能付きカメラなら位置情報も直接取得可能

STEP 2:データの整理

2-1. Merlinの録音データを整理する

録音したデータをスクリーンショットで記録します。



以下の情報を読み取ります:

  • 録音開始時刻(画面上部のステータスバーの時計)
  • 検出された鳥の種名(リスト表示)

注意: Merlinアプリはログインしていない場合、録音データをCSVなどでエクスポートできません。 スクリーンショットで記録するのが現実的な方法です。

2-2. タイムゾーンを確認する

GPXファイルの時刻はUTC(協定世界時) で記録されています。 Merlinのスクリーンショットは現地時間です。

データ タイムゾーン
GPXファイル UTC
Merlinスクリーンショット 現地時間(例:台湾はUTC+8)
カメラEXIF カメラの設定による(要確認)

STEP 3:Claudeでデータを処理する

ここが今回の核心部分です。ClaudeにGPXファイルとデータを渡して、 KMLファイルを自動生成してもらいます。

3-1. GPXファイルをアップロードする

ClaudeにGPXファイルをアップロードし、以下を依頼します:

 
 
このGPXファイルと録音データをもとに、
GoogleマップにインポートできるKMLファイルを作ってください。

録音データ:
- 2026-06-05 05:24(台湾時間):Taiwan Yuhina, Collared Bush-Robin, Flamecrest
- 2026-06-05 05:46(台湾時間):Taiwan Rosefinch, Collared Bush-Robin
...(以下続く)

3-2. Claudeが行う処理

Claudeは内部で以下の処理を自動実行します:

  1. GPXファイルの解析 → 全トラックポイント(時刻・緯度・経度)を読み込む
  2. 時刻照合 → 録音時刻に最も近いGPXポイントを検索(±35分以内)
  3. KMLファイル生成 → 種ごとに色分けしたピンとルートを含むKMLを出力

3-3. スクリーンショットをそのまま送る方法

録音データを手入力する代わりに、MerlinのスクリーンショットをそのままClaudeに送ることもできます。Claudeが画像から時刻と鳥名を読み取ります。


STEP 4:KMLファイルの設定

4-1. レイヤ構成(Googleマイマップは最大10レイヤ)

 
 
レイヤ1:軌跡(移動ルート)
レイヤ2〜9:出現数上位8種(種ごとに色分け)
レイヤ10:その他の種(グレーでまとめて表示)

4-2. アイコンの色分け

Googleマイマップで確実に色が表示されるアイコンは、 Googleが提供する以下のURLを使います:

 
 
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/red-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/blue-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/green-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/yellow-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/purple-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/orange-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/pink-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/ltblue-dot.png
http://maps.google.com/mapfiles/ms/icons/grey-dot.png

注意: KMLの <color> タグや、Google Charts APIのURLは Googleマイマップでは無視されます。上記URLを直接指定するのが唯一確実な方法です。

4-3. ピンの名前形式

ピンをクリックしたときに分かりやすいよう、以下の形式を推奨します:

 
 
日本語名 No.XX 日付 時刻
例:アリサンヒタキ No.38 06/07 06:44

4-4. KMLの注意点

KML内のURLに & が含まれる場合は &amp; にエスケープする必要があります。 エスケープが漏れると「無効なファイル」エラーになります。


STEP 5:Googleマイマップにインポートする

  1. Google マイマップ を開く
  2. 「新しい地図を作成」をクリック
  3. レイヤの「インポート」を選択
  4. 生成したKMLファイルをアップロード

注意:

  • Googleマイマップは最大10レイヤまで
  • ファイルサイズは5MB以下
  • レイヤごとに表示/非表示を切り替えられる

STEP 6:写真データを活用する(オプション)

カメラで撮影した写真のEXIFデータから位置を自動取得できます。

JPEGファイルをClaudeに送るだけでOK

 
EXIFの撮影時刻からGPXで位置を照合して、KMLに追加してください。

Claudeが自動的に:

  1. EXIFから撮影日時を読み取る
  2. カメラのタイムゾーンを考慮して変換
  3. GPXで最近接ポイントを検索
  4. KMLに追加

ポイント: カメラのタイムゾーン設定を確認しておきましょう。 海外撮影では現地時間ではなく日本時間(JST)のままになっていることがよくあります。


まとめ・工夫のポイント

課題 解決策
Merlinのデータをエクスポートできない スクリーンショットをClaudeに送る
GPXとMerlinの時刻がずれる タイムゾーンを確認・変換する
GoogleマップでアイコンがデフォルトのまM Googleの色付きdot PNGを直接指定
10レイヤ上限を超える 9位以下をグレーでまとめる
KMLエラー &&amp; にエスケープ

 

阿里山の鳥たち その他

今回は阿里山での滞在で、声は聴くことができましたが目視できなかった鳥たちをリストアップ。

 

■ニイタカキクイタダキ(火冠戴菊:Flamecrest)
かなり広い範囲で声を確認はしていました。日本のキクイタダキと同じく針葉樹を好むようで、そのあたりを確認して歩きましたが、結局目視確認できず


■タイワンキクチヒタキ(臺灣白眉林鴝:Taiwan Bush Robin)

今回、アリサンヒタキと並んで見たかったヒタキ科の鳥。林道近くの薮の中から声は聞こえるのですが、姿が見えないことが何度か。

 

■タイワンコバネヒタキ(台湾小翼鶇:Taiwan Shortwing)

タイワンキクチヒタキと同じく、近くまでは行けるのですが、同じく見つけられず。

 

■タイワンサザイチメドリ(臺灣鷦眉:Taiwan Cupwing)

日本のミソサザイと似た外観ですが、系統的には違うらしい。囀りは大きいが、これも近くまで行っても、姿を見つけられず

 

コシジロムシクイ

 

 

ミヤマウグイス

ebird.org

ズアカチメドリ

ズアカエナガ

顔の黒い模様が、アニメ『ドラえもん』の輪郭や口元にそっくりであることから、現地のバードウォッチャーたちの間で「ドラえもん」と呼ばれています。

今回、アリサンヒタキと並んで是非見たかった鳥。声は数回確認していて、1回それらしき姿もパット見えたのですが、エナガの素早さできちんと確認できず。次回は是非見つけて写真におさめたい。

 

以下の写真はeBirdより

コンヒタキ(白尾鸝:White-tailed Robin)

コンヒタキ。台湾固有種ではないですが、日本国内では見られず、ネパール、インドから中国南部、台湾にかけて見られる鳥。

特徴的な囀りなので、大きな囀りを辿っていくと見つけることができました。

英語名ではWhite-tailed Robin。ボディは紺色ですが、確かに尾に白い筋が入っています。

今回はその囀りを頼りに2回見つけましたが、いずれもかなり暗い状況。その中でも濃い紺色(メタリックブルー)は美しかったです。

ミカドキジ(烏雉雞:Mikado Pheasant)

ミカドキジ。台湾の高山地帯のみに生息する台湾固有種のキジ。台湾の1000元札の裏面にが描かれているので、台湾国内での知名度は高いそうです。

めったに現れないと聞いていたので期待していませんでしたが、林道脇に突如現れました。青紫に光る美しい姿です。尾の長さを考慮せずに写真を撮ってしまい、あとで尾が切れているのに気づきました。

タイワンキンバネガビチョウ(金翼白眉:White-whiskered Laughingthrush)

タイワンキンバネガビチョウ。台湾固有種。日本にいる外来種のガビチョウと同じく警戒心が低くあまり逃げない。

後方から見るとヤブドリと似た色なので、最初見つけたときには一瞬間違えたが、顔に白い線が入っているのが大きな違い。

台湾の阿里山 野鳥情報 2026梅雨

台湾・阿里山 野鳥観察記

1. はじめに

台湾には、世界でここだけにしか生息しない固有種の野鳥が数多く存在する。その中でも私の好きなヒタキ科の鳥である「アリサンヒタキ」が今回の一番のターゲット。台湾の中でもヒタキ科が多い標高が高い有名な探鳥地には大雪山と阿里山がある。ネットで事前に調べたところ阿里山のほうが公共交通機関でアクセスしやすいことがわかったので、今回は阿里山を選択。

阿里山は標高2,200〜2,400mに広がる山岳エリアで、台湾の野鳥観察における聖地ともいえる場所だ。シーズンとしては梅雨真っ只中の6月。「雨が多い」とわかっていながらも、何とかなるだろうと思い行ってきました。

2. アクセス

成田→桃園→高鉄嘉義→阿里山

日本からのアクセスは以下のルートが基本だ。

① 飛行機:成田(または羽田)→ 桃園国際空港
LCCを利用すれば深夜便で早朝到着が可能。到着後すぐに移動を開始できるのが利点だ。深夜便で早朝に着いた場合は始発まで空港で待つことになる。空港ホテルもあるが、待ち時間が3〜4時間程度なら、出発ターミナル側のレストラン街の椅子で仮眠することも可能。到着ターミナルの地下にはセブンイレブンもある。

② 空港MRT:桃園空港 → 桃園駅時刻表
普通車(青ライン)で約19分、料金25元。空港で悠遊カード(SUICAのようなもの)を購入すればそれで乗車できる。始発は第1ターミナル発で6:07頃(普通車)。

③ 高鉄(台湾新幹線):高鉄桃園 → 高鉄嘉義公式サイト
所要約1時間20分。事前にオンライン予約が可能で、Redeem Codeで窓口発券できる。高鉄桃園駅の南行き始発は6:49頃。これに乗れば高鉄嘉義(在来線の嘉義駅とは離れているので注意)に8時過ぎに到着できる。

④ 台湾好行7329バス:高鉄嘉義 → 阿里山台湾好行公式
高鉄嘉義駅から乗車。所要約2時間30分。始発は8:40(その後9:30、10:10、11:00、13:10と続く)。事前予約は不可で当日並ぶ方式だが、6月平日は問題なく乗れた。運賃はNT$263。

注意点: KKdayのチケットには有効期限がある。私は「3日間有効」を「4営業日」と勘違いしてしまい、帰路で期限切れとなって使えず、現金払いになった。利用日数のカウントには十分注意したい。

入場料について

阿里山国家森林遊楽区の入場料は、阿里山の入場ゲートで支払う。KKdayでバスチケットと入場券をセットで事前購入することもできる。

3. 宿泊

阿里山の中心地、中正村エリアに宿を取った。バスターミナル・食堂・売店が徒歩圏内にあり、早朝の探鳥拠点として非常に便利な立地だ。

チェックインは15:00以降なので、それ以前に到着する場合は、宿に不要な荷物を預けてから行動開始するとよい。

宿の予約はBooking.comなどで簡単にできる。エリア内にはいくつも宿があるので、立地と予算で選べばよい。

4. 天気と探鳥時間

6月・梅雨シーズンの実態

6月の阿里山は毎日雨が降る。現地で天気予報を見ていたが、2週間先までずっと雨予報だった。最終日に晴れたのは本当にたまたまである。しかし重要なのは「いつ降るか」だ。

日付 天気の流れ
Day1 到着直後から小雨、15時頃から本降り
Day2 早朝〜11:45は曇り・霧で探鳥可能、11:45から本降り
Day3 早朝〜9:00は探鳥可能、9:00から大雨、午後は降ったり止んだりの繰り返し
Day4(最終日) 梅雨の晴れ間。朝日も見られ、10時過ぎまで晴れ(たまたまの幸運)

パターンは概ね、午前中が勝負、午後は雨。この傾向を把握しておけば、毎日探鳥時間を確保できる。早朝4時頃に出発して10〜11時に撤収するサイクルを繰り返した。

天気予報アプリ

現地ではウェザーニュースを使っていた。ただし日本のように1時間ごとの予報精度は高くなく、あくまで参考程度。阿里山のページはこちら:
https://weathernews.jp/onebox/tenki/world/1/taiwan/alishan-forest-railway/

日の出と撮影可能時刻

6月の阿里山の日の出は5:20〜5:25頃。しかし撮影に必要な明るさが得られるのは日の出後15〜30分が目安だ。曇り・霧の日はさらに遅れる。

また、祝山駅から下るルートは山の影に入るため、日が当たるまでにさらに時間がかかる。暗い時間帯は撮影より「声での探鳥」に集中し、明るくなってから撮影モードに切り替えるのがよい。

5. 探鳥エリア別レポート

ビジターセンターにある地図(紙配布は無し)は以下のとおり。職員の方に聞きましたが、野鳥専用の情報は無かったです。

日本語の地図↑はこちらからダウンロード可能です。

① 沼平公園・祝山線沿い

沼平駅から沼平公園にかけての遊歩道は、林縁部が続き鳥の出が良いエリア。早朝の光が差し込む時間帯に特に活発になる。

② 祝山(祝山線で早朝アクセス)

阿里山随一の日の出スポット、祝山。展望台では毎朝大勢の観光客が日の出を鑑賞するが、探鳥目的なら小笠原山展望台に向かわず、祝山駅から下るルートを選ぶのがおすすめだ。観光客とは逆方向になるため人が少なく、静かな環境で探鳥できる。高標高エリア特有の鳥が多く生息しており、早朝の探鳥効率が非常に高い。

早朝の人出が一段落した後に再訪するのもよい。人が少なくなり、落ち着いて探鳥できる。

③ 祝山観日歩道

沼平駅から祝山に向かう遊歩道。高標高ならではの鳥が期待できる。標高差が150mほどあるが、非常に歩きやすい階段遊歩道が整備されている。

④ 塔山歩道

大塔山方面へ向かう歩道。深い森が広がり、固有種との出会いが期待できるエリア。森林鉄道沿いではあるが、線路脇の平坦な道ではなく、20-30m程度のアップダウンを繰り返す道なので注意。コースの終点の塔山までは、標高差200mほど登ることになる。なおこのコースは鉄道やバスでのアクセスはできない。

⑤ 神木周辺

阿里山を代表する巨木「神木」周辺は、深い原生林が広がる探鳥の好ポイントだ。神木駅はホームの裏に長いベンチと屋根があり、雨宿りしながら目の前の森を観察できる。雨の日の待機場所としても最適だ。

⑥ ホテル周辺

中正村の宿周辺でも、早朝や夕方に鳥が出る。なぜかセブンイレブン前の樹木にも多い。移動の合間にチェックする価値あり。

6. 園内の移動

阿里山森林鉄道(3路線)

園内には3つの鉄道路線がある(支線時刻表・公式サイト)。嘉義からの本線は1日1〜2本で予約が必要だが、山上のこの3支線は基本的に自由席で簡単に乗車できる(祝山線のみ1日1本なので前日予約を推奨)。短時間ですが、箱根登山鉄道のような急勾配と急カーブを満喫できる。

祝山線:朝の1便のみ運行。要予約。今回は2編成の運行だったが、ピーク時には最大5編成になるという。料金150元。翌朝の出発時刻は日の出時刻に合わせて、前日夕方に発表される(今回は4:10発)。座席確保には30分以上前に並ぶのが安全。

沼平線・神木線:約1時間おきに運行。料金100元。疲れているときや雨のときに有効活用するとよい。神木線のほうが距離が長く標高差もある。

バス

今回は使わなかったが、園内はバスも頻繁に動いている。祝山へは早朝以外はバスが便利。

7. 出会えた野鳥たち

今回の滞在で確認できた種は以下の通り(写真撮影できたものには📷、目視だけは👀)。

英語名(English Name) 日本語名 写真、目視
Taiwan Vivid Niltava チャバラオオルリ 📷
Collared Bush-Robin アリサンヒタキ 📷
White-eared Sibia ミミジロチメドリ 📷
Taiwan Yuhina カンムリチメドリ 📷
Flamecrest ニイタカキクイタダキ  
Taiwan Liocichla ヤブドリ 📷
Snowy-browed Flycatcher ムネアカヒタキ 📷
Taiwan Cupwing タイワンサザイチメドリ  
White-tailed Robin コンヒタキ 📷
Taiwan Bush-Robin タイワンキクチヒタキ  
Rufous-faced Warbler コシジロムシクイ  
White-whiskered Laughingthrush タイワンキンバネガビチョウ 📷
Morrison's Fulvetta メジロチメドリ 📷
Taiwan Shortwing タイワンコバネヒタキ  
Yellowish-bellied Bush Warbler ミヤマウグイス  
Taiwan Rosefinch タカサゴマシコ 📷
Taiwan Whistling-Thrush ルリチョウ 📷
Plumbeous Water Redstart カワビタキ 📷
Green-backed Tit キバラシジュウカラ 📷
Taiwan Barwing シマドリ 👀
Taiwan Bush Warbler タイワンオウギセッカ  
Black-throated Tit ズアカエナガ 👀
Mikado Pheasant ミカドキジ 📷
Rufous-capped Babbler ズアカチメドリ  
Eurasian Jay タイワンカケス 📷

ほぼ全てが台湾固有種または固有亜種。梅雨シーズンとは思えない充実した結果だった。写真も目視もできなかった鳥は↓のMerlinアプリで声を識別したもの。

8. 観察のコツ

① 早朝4〜10時が絶対的な勝負時間

午後は雨が降ることが多い。早朝に出発し、雨が来る前に戻るサイクルが基本だ。日の出前の暗い時間帯でも、さえずりで鳥の存在を確認できる。

② 「声で見つけて、待って撮る」

6月は繁殖期でさえずりが活発。声がしたらその場で動かず2〜3分待つ。低い藪の縁や枝先をじっくり観察するとゴソゴソしていることが多い。この辺は日本国内と同じ。

③ Merlinアプリを活用する

コーネル大学が開発した無料アプリ「Merlin Bird ID」は、声を録音するだけで鳥の種類を特定してくれる。日本国内では認識率が6割程度だが、阿里山では85%ほどの認識率で、ほぼ鳴き声だけで鳥が判別できた。声しか聞こえなかった鳥も、Merlinで記録しておけばeBirdと連携して観察記録として残せる。今回の探鳥で大活躍したアプリだ(7で記載した鳥もこのアプリで種類を判別)。

Merlin Bird ID by Cornell Lab

Merlin Bird ID by Cornell Lab

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④ 探鳥スタイル

ここにはハイド(観察用の隠れ小屋)はない。自分で歩いて探すしかない(森林鉄道やバスを使うと効率よく移動できます)歩く道は遊歩道が基本で、スリップ防止の溝が入った木道が非常によく整備されている。林道(舗装路)も歩くが、一般車の乗り入れが制限されているため静かに歩ける。日本的な急峻な登山道ではない。

エリア内の標高差は200mちょっと(宿のある中正村が約2,200m、祝山周辺が約2,400m)。普段登山をしない人でも歩ける。1日5〜10km程度歩けるレベルがあるとよい。

9. 実用情報

交通・費用

区間 交通手段 費用目安
桃園空港→高鉄桃園駅 空港MRT NT$25
桃園→嘉義 高鉄 NT$700前後
嘉義→阿里山 台湾好行7329バス NT$263
祝山線 森林鉄道 NT$150
沼平線・神木線 森林鉄道 NT$100

キャッシュレス事情

阿里山エリアは現金が基本。タクシー・食堂・売店はほぼ現金のみ。一方、台北(コンビニ・書店・高鉄)ではクレジットカードやPayPayが使える。2026年4月からPayPayが台湾の大手コンビニ4社で利用可能になっており、セブンイレブンでは大変便利だった。

携帯・通信

携帯キャリアは中華電信が山岳エリアで一番強いとされる。今回は阿里山全域で5Gが利用可能で、遊歩道を歩いている最中でもエリア外になることはなかった(驚き)。eSIMを使う場合も中華電信回線のものを選ぶと安心。私は事前に日本で5日間で使い放題1000円ほどのeSIMを購入しておき利用。

↓は中華電信のサービスエリアマップ。

食事

ホテルの朝食もついていたが、朝食時刻と探鳥のピーク時刻が重なるので、基本は朝食・昼食とも阿里山駅近くのセブンイレブン(台湾で一番標高の高いセブンイレブン)で調達した。阿里山のセブンイレブンは早朝から営業し、おにぎり・サンドイッチ・弁当・お酒と品揃えが充実。PayPayも使える。夕食はビジターセンター横の食堂街で食べた。1食50〜150元ほど。

服装・防寒

防寒は必要だが、梅雨の季節はそれほど厳重でなくてよい。早朝でも長袖シャツとゴアテックスの雨具だけで問題なし。日中は半袖の人も多い。

雨対策(重要)

雨は強いことも多いので、雨具は上だけでなく下(レインパンツ)も必携。靴はハイカット登山靴で防水必須(事前に防水・撥水スプレーでメンテナンスを)。

そしてザックカバーは絶対にあったほうがよい。筆者は簡易防水ザックだったが、ザックカバーを忘れて初日にザックの中身を濡らして大変な目に遭った(傘はさしていたのに……)。

雨除け施設

鉄道の駅舎が雨宿りに便利。ところどころに東屋もある。

撮影機材

早朝はもちろん、梅雨の森林の中では日中も曇りで光量が少ない。明るいレンズは必須。F8だと厳しいのではないか。今回は特に藪の中でいる鳥も多かったので、高ISOで撮ってあとからノイズ処理する方針も有効で、筆者は普段使わないISO12800も今回は使用した。

10. おわりに

「6月の阿里山は雨が多くて難しい」と言われる。実際その通りだった。しかし、毎朝の探鳥時間は確保できたし、出会えた鳥の数と質はこの季節にしては上出来だった。

次回は10月下旬〜11月上旬、渡り鳥と留鳥が重なるベストシーズンに再訪したいと思っている。

カワビタキ(鉛色水鶫: Plumbeous Water Redstart)

カワビタキ。日本には生息していませんが(迷鳥の記録はあり)、台湾固有種ではなく、東アジアに広く生息しているヒタキ科の鳥です。阿里山内の川のある場所で発見。こちらは雄↓

ヒタキ科の丸い体とクリクリなラブリーな目です。

近くで雌もウロウロしていました↓。

事前に聞いていたとおり、川岸が大好きで、このような場所で水生昆虫を捕食しようと待っているようです。

ebird.org

メジロチメドリ(大目框仔:Grey-cheeked Fulvetta)

メジロチメドリ。これも台湾の固有種。阿里山駅から沼平の周辺で、集団で移動しているところを何度か見つけました。ただ草むらには入り込んでしまし、また動きも早いため撮影が難しかったです。

ルリチョウ(台湾紫啸鸫:Taiwan Whistling-Thrush)

ルリチョウも、台湾の固有種として知られる美しい野鳥です。阿里山の滞在中に何度か見かけました。特に一番上の写真の際には、足元2mに急に現れて、バッチリ撮影させてくれました。

カラスのような風貌ですが、ヒタキ科だそうです。他の瑠璃色の鳥と同じく、光の当たり方で青色が輝きます(暗いところでは、この青さが分からない)

タイのドイ・インタノンで見かけたオオルリチョウとかなり似ていますが違う種類。

 

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