三重・和歌山・奈良の3県にまたがる熊野古道を含む、「紀伊山地の霊場と参詣道」が2004年に世界遺産に登録され、来年2024年の20周年に向けた観光振興施策が各県で行われています。その中の三重県の1施策としてYamapのキャンペーン↓があり、
私もそれに合わせて熊野古道の中の伊勢路踏破(伊勢神宮~熊野速玉大社)の約170kmを歩いてきました。その際に活用した情報をまとめます。振興施策に少しでも役に立てば幸いです。
コース
詳細は末尾の記録に記載しますが、全体的にはこんな感じです。
- 紀伊長島までは平坦な舗装路が9割以上、紀伊長島から尾鷲市までは石畳もある峠道が半分、尾鷲市から新宮まではまた平坦な道
- 町にはいると、細い旧街道を歩き、町と町の間は旧街道がなければ、国道の歩道を歩く(国道では必ず歩道があります)
- 国道から旧街道への入口など、分かり難いところは殆どの場合で「熊野古道 伊勢路はこちら」の標識があります。ただし紀伊長島からの海岸線沿いは標識がすくなくなる傾向あります
- 峠道はすべてがポスターにあるような石畳があるわけではないです。石畳は馬越峠から松本峠までの峠道で見られます。
- 途中で江戸道と明治道に分かれる場合があります。大概の場合、明治道のほうが斜度が緩く整備されているようですが、個々によって状況は違うので「熊野古道伊勢路図絵」などで確認するとよいです。
- 荷坂峠かツヅラト峠の選択ですが、荷坂峠は短いのが、昔の雰囲気のある峠ではないので、距離は長いですが峠からの絶景や途中の石畳もあるツヅラト峠をお勧めします。
私が歩いた軌跡、主な峠、宿泊施設、コンビニ、高速バスのバス停などの情報を↓に地図に書き込みしました。ご参考までに
地図
徒歩で踏破するために有益な地図は↓の一択です。
熊野古道伊勢路図絵~令和の熊野詣~
伊勢神宮から熊野速玉大社まで、熊野古道伊勢路(全長170㎞)を歩くためのおすすめルートやお役立ち情報などをイラストマップで紹介します。
↓のサイトからPDF版がダウンロードできるので、印刷して必要な箇所だけを印刷して持ち歩くのがよいです。2023年10月現在で、紙の冊子版は配布されていないようです。
山と高原地図の「高野山・熊野古道 伯母子岳」にも、2023年度版から伊勢路が追加されていますが、追加されたのは相賀駅~熊野市駅の一部区間だけです。情報もあくまでも登山地図なので、あまり細かい情報はありません。
帰宅後に知ったのですが、こんな便利な情報もありました↓。
googleマップにルート、宿泊施設、コンビニ、飲食店、駐車場、世界遺産、トイレからWifiスポットまできちんと記録されているサイトがありました。行く前に知りたかった。自分のこのページの情報不要ではないか orz・・・。これから伊勢路を目指す方は是非活用してください
登山アプリ
YAMAP、ヤマレコともに伊勢路のルートが電子地図上でルートとして登録されています。YAMPでは「熊野古道 伊勢路①~⑤」として地図が公開されていますので、それをダウンロードするとよいです。ヤマレコは周辺の地図を選ぶと、その中にルートが埋め込まれています。双方を比較しましたが、99%以上一致している(街中の細かいところで若干違う場合もあるが誤差の範囲)ので、いずれかでよいと思いますが、ナビゲーションとして使うのであれば、ヤマレコのほうが便利です。
宿泊
民宿は、田丸、栃原、滝原、三瀬谷、伊勢柏崎、大内山、古里(紀伊長島と三野瀬の間)にある。今回は栃原の岡島屋さん(1泊1食 朝食のみ 7,000円)と伊勢柏崎の紀勢荘さん(1泊2食 朝食はおにぎりに変更 8,200円)に宿泊しましたが、いずれも巡礼者もご用達の宿のようです。
紀伊長島を過ぎて海岸線に入ると、尾鷲駅周辺と熊野市駅周辺にビジネスホテルを中心とした宿が多いので困らないと思います。
飲食料調達
食料(昼食や行動食)コンビニや道の駅で調達できますが、それほど多くはないです。↑のGoogle地図に、コース上のコンビニや道の駅で計画的に補充しておいたほうがよいです。飲物はだいたい1~2時間程度に1ヶ所は自販機があることが多いのでそれを利用。もちろ峠の山道に入るときには少し多めに!
なお朝早く出発する場合は、朝食をおにぎりに変更してもらうことは可能です(前日に連絡しておく)
トイレ
コース中に1~2時間に1ヶ所程度は公衆トイレ(コンビニや道の駅なども含む)があります。峠の場合は、峠の入口や入口近くにある駐輪場の脇、平坦な道の場合は公園内のトイレなどを利用できます。
持ち物
行動食、飲料(500ml~1L程度)、防寒具、着替え、タオル、カメラ、スマホ、予備バッテリー、トレッキングポール(峠越のルートのみあったほうがよい)
靴
山道の峠が何ヶ所があるのですが、全体的には圧倒的に舗装路が長いので、底が固い登山靴では歩かないほうが良いと思います。私は高クッションのスニーカーで歩きました。紀伊長島から尾鷲市までの峠道でも、本来はハイカットの登山靴のほうがよいとは思いますが、足元を気にしながら歩けばスニーカーでも大丈夫です。
石畳は滑るかどうかですが、今回は天候に恵まれて、前日も含めて雨には降られていないので、滑ることは殆どありませんでした。
あったほうがよいもの
靴連れ防止対策(皮膚保護クリーム、キズパワーパッドなど)
1日に何キロ歩くか
私は登山では1日15km程度、コースタイムで80%前後で歩ける体力ですが、今回は1日で25~30kmを目標に歩きました。走ってはいませんが、早めには歩いています。これでだいたい時速4.5km。
一般的には15kmくらい、ランニングをやる方でれば30km以上は歩けます(そのような記録もあがっていますね)
アクセス
鉄道、バス、車、空路でアクセス可能です↓(熊野古道伊勢路図絵のP41より)
また以下の情報も、個々のコースごとに記載があり役立ちます
熊野古道伊勢路アクセスマップ
「熊野古道伊勢路ガイドマップ」の別冊として、日帰りコースや迷いやすいポイントを紹介します。各コースごとに、電車・バスでのアクセスや所要時間(目安)などが掲載されており、伊勢路へのお出かけに便利です。
私の場合は、費用と利便性を考慮して往復ともに夜行バスを利用
- 往路 伊勢まで:東京駅から夜行バス あおぞらライナー 東京駅 22時40分 発 ~ 08時20分頃着 宇治山田駅 3列シートトイレ付き 料金:6,500円
- 復路 紀伊長島から:紀伊長島から夜行バス (西武バス 南紀勝浦線。三重交通との共同運行) 紀伊長島 22:02発 ~バスタ新宿 5:55着 3列シートトイレ付き 料金:9,900円 →2回目の遠征もこのバスで往復
この西武バス 南紀勝浦線ですが、ほぼ伊勢路のルートに沿ってバス停があるので、伊勢路歩きには非常に便利な路線です。バス停の場所を↑のGoogle Mapに印をしています(バス停からJRの駅までは離れていることが多いので注意です)。
またJR紀勢本線や路線バス(路線図は↓)も、ほぼ伊勢路沿っていますので、予定より先まで歩く場合や、予定場所まで到達できな場合に柔軟に使えます。
スタンプラリー
三重県の主催で、「熊野古道伊勢路 スマホdeスタンプラリー てくてく熊野古道」というデジタルスタンプラリーを開催しているそうです。私は途中から気づいたので、後半しか押せませんでしたが、ほぼこの踏破コースにマッチングしているのでいかがでしょうか?32ヶ所全てのスタンプゲットでオリジナル商品が貰えるそうです。
記録
今回の6日の記録は以下のとおりです。
日付 | コース | 距離 | 標高差 | ヤマレコ記録 | yamap記録 |
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2023/10/20 | 伊勢神宮~田丸~女鬼峠~栃原 | 31.4km | 230m | ||
2023/10/21 | 栃原~馬鹿曲がり~三瀬坂峠~梅ヶ谷駅 | 40.8Km | 530m | ||
2023/10/22 | 梅ヶ谷駅~荷坂峠~紀伊長島駅、 梅ヶ谷駅~ツヅラト峠~紀伊長島駅~一石峠~三浦峠~三野瀬駅 |
29.8Km | 580m | ||
2023/11/23 | 三野瀬駅~始神峠~馬越峠~八鬼山~三木里駅 | 30.7Km | 1,140m | ||
2023/11/24 | 三木里駅~三木峠~甫母峠~二木島峠~松本峠~熊野市駅 | 27.3Km | 1,670m | ||
2023/11/25 | 熊野市駅~新宮(熊野速玉大社) | 25.3Km | 240m |