knjrの日記

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『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』

原発に関連する、原子力工学地震学、金属工学などの(御用学者ではない)専門家の方の集まり『柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会』があることを知りました。
その会から23日に「「福島原発震災」をどう見るか―――私たちの見解」が公開されています。要約だけ引用すると


2011年 3月23日  柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会

〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21 戸田ビル4 階事務局携帯070-5074-5985
http://kkheisa.blog117.fc2.com/ E-mail kk-heisa@takagifund.org
郵便振替口座:00140-0-687327 加入者名:柏崎刈羽・科学者の会



福島第一原発では、2011年 3月11日の東北地方太平洋沖地震発生から10日以上を過ぎた今も、原子炉炉心の冷却が進まず、この重大事故がどのように収束するのか予断を許さない深刻な事態が続いています。


現在の事態が示しているのは、日本全土に立地する原発が、地震津波に対して、いかに脆弱であるか、他の場所で大きな地震が起これば、第二、第三の「福島原発震災」が再現する可能性が十分あるということではないでしょうか。


とくに、2007年の新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発、想定東海地震震源断層真上の浜岡原発などで、近い将来、福島原発と同様の事故が起こる危険性を過小に見積もることはできません。


先の地震で被災した柏崎刈羽原発の安易な運転再開を危惧してきた私たち「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」では、この深刻な事態をどのように受け止めるべきか、また、事業者や政府に何を要求すべきかを議論しました。


私たちの考えは以下の通りです。(以下、項目のみ)

1.福島原発では何が起こり、今どういう状態にあるのか

  ・原子炉圧力容器と格納容器

  ・使用済み燃料プール

  ・さらなる事故拡大の懸念

2.放出され続けている放射能の危険性について

  ・原発サイトにおける被曝労働

  ・周辺30km 圏での退避の必要

  ・周辺80km 圏内からの退避について

  ・首都圏など200km 圏内での対応

  ・農作物などへの影響

3.柏崎刈羽原発被災の経験は生かされなかった

  ・地震津波の過小評価

  ・海水注入の遅れ

  ・情報公開の遅れ

4.柏崎刈羽原発の今後についての要求

全文は
http://kk-heisa.com/data/2011-03-23_kkkenkai.pdf
で公開されています。是非一読を!


さて原子力安全委員会というと、自らの予想・処理能力や国民への考慮の欠如を自ら認めているようです。以下24日の毎日新聞から。
「「対処能力超えた」原子力安全委員長、反省の弁」

 福島第一原発の事故後、23日夜に初めて、報道陣の前に姿を見せた班目(まだらめ)春樹・原子力安全委員会委員長は「電源の喪失は深刻で予想を超える早さでトラブルが次々発生、技術陣の対処能力を超えた」と指摘。

 津波という想定外の自然災害に極めてもろかった原発技術の限界を認め、「震災時にも電源を容易に確保できるなどの耐震機能が必要だ」と、反省をこめて語った。

 事故直後、同委員長は、菅首相に呼び出され、官邸などで原子炉の構造や事故時の対処法などを解説したという。12日、ヘリコプターに同乗して菅首相を現地に案内した。視察中は、原子炉建屋内部で事故を処理できると見込んでいたものの、帰京直後に水素爆発が起こるなど、「トラブルが重なり、多くの対処が後手に回ってしまった」と説明した。

 炉心への海水注入は、津波による被害の判明直後に決断したが、圧力を抜く弁の開閉にも、電源が必要だったことなど、「予想外の障害が重なり、注入までに数時間を要してしまったことも悔やまれる」としている。

 事故や放射性物質の放出データなどを評価し、わかりやすく伝えるという委員長の役割について、会見を拒否してきた12日間を謝罪、「官邸や文部科学省へ伝えれば良いと考えていたが、今後はできるだけ市民にも事故の軽重判断、評価を伝えたい」と語った。
(2011年3月24日06時33分 読売新聞)

これが「お国の安全委員会」と思うと.....。昨日の日記の通り、早急に御用学者、内部関係者以外の外部専門家を含めた形で、他の原発の安全対策の再検討をお願いしたい。