昨日の日記で原子力安全委員会の無責任会見の記事を紹介しましたが、さらに「原子力安全・保安院」というものがあることを知りました。それぞれの所属と役割は、Wikipedia等から概略だけ抜粋してまとめました。以下
- 原子力委員会(内閣府):国の原子力政策を計画的に行う。原子力の推進が目的
- 原子力安全委員会(内閣府):原子力委員会から独立し、原子力の安全の確保に関する事項について企画、審議、決定する。必要な場合は、内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告する
- 原子力安全・保安院(経済産業省):原発施設の安全規制、保安を所管し、立入検査、報告徴収、改善命令等を行う
ほかにも「教えてgoo」に以下の回答がありましたので、ご参考に
もっとも大きな違いは、
・原子力安全委員会は参謀役
・原子力安全・保安院は現地指揮官
・ちなみに、司令官は首相(内閣)
となりますかね。原子力安全・保安院(以下、「保安院」といいます。)は、国家行政組織法に基づいて経産省の下に設置された行政機関です。
経産省の下に付いていることでも解るように、各事業者や原子力に関係する諸団体を「原子力の安全保持」の面から監督する行政職で、彼らは行政処分等を下す権限や、場合によっては事業者へ直接命令(文書でも口頭でも)を下す権限も持っています。
それに対して、原子力安全委員会(以下、「委員会」といいます。)は原子力の政策等について、行政機関ならびに事業者を指導する役割を担っていますので、内閣総理大臣を通じて関係行政機関へ勧告を出す権利(勧告権)は持っていますが、基本的に指揮命令権や罰則を与える権利は持っていません。
また、中立性を保つために、委員はすべて民間から登用されます。(事務局は異なります。)
ですから、今回のような場合には、当然保安院が前面に立って説明する法的責任を有しますので、本来は発言力を(少なくとも責任と説得性を)持つべきです。
しかし実際は、彼らはある程度の専門教育などを受けますが、委員会の構成メンバーの様に研究を通じて十分な知識を身につけることも困難ですし、事業者の用に実際の運用を通じてシステムに精通することも困難なんですね。
結果として
・平時で緊急の勧告が出ない状態の時は、事業者に直接命令等を行う権原を持つ保安院が強い。
・危急の際には専門知識と聴取者を納得させうるだけの信頼性が必要となるので委員会が強い。
となります。
この原子力安全・保安院について調べていたところ、民間のウラン濃縮研究所長、原子力委員会委員や原子力安全委員会委員の歴任され、「安全な原子力推進派」でもある中部大学武田邦彦教授のインタビューを見つけました
このインタビューにあるように、上述の政府関係機関、地震学者、原子力工学の専門家、東京電力、原発メーカーのすべてが、自らの保身だけを考え、国民の安全など考えていないことがよくわかった。
このような関係者への批判的な意見は、NHKや民法の地上波TVでは全くといってよいほど取り上げられない。今こそ、インターネットを中心とした、その他メディアを使って、自らで情報を集めて自らで判断してほしい。
P.S.大前研一氏も、通常は有料である「大前研一ライブ」を無料公開しています。
氏は原発推進派ですが、今政府が行うべきこと、柏崎原発事故での学習がされていなかったこと、東電腐った体質、政府安全機関の専門知識の欠如についてなど、非常に興味深いです。説明ポイントがスライドにまとめられているところも○です。特に「放射性物質拡散防止のため、原発をテントで覆う」という案を含めた”今後のステップ”↓は注目です。
以上のような内容で時間は長いですが、地上波TV番組より必ずためになります。ぜひご覧ください