- 作者: 菅原出
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2007/03/24
- メディア: 単行本
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- PMCも以前は基地内の食事や洗濯、物流などの後方支援だけであったが(ベトナム戦争のときからあったらしい)、今では最前線での戦闘行為など、米国政府の外交・軍事を肩代わりするまでの巨大な力を持つようになってきている
- イラク戦争では一攫千金を目指して多くの低レベルのPMCが現れた。それらは粗末なサービスを提供して問題にもなり、イラク国民からも反感を買うことにもなった※
- PMCの武装警備員は米国からだけでなく、コストを削減するために、フィジー、ネパール、フィリピン、コロンビア、最近では更にコストを下げるためにシエラレオネ(月給はなんと1万8千円!)などから出稼ぎで来た人までも雇っている
- 戦争の広告代理店もPMCの一つである。イラク侵攻のための口実を探していたブッシュ政権は、PMCであるレンドン社に「サダム・フセインが大量破壊兵器を持っている」というプロパガンダをやるための契約を結んだ。一企業が国民の価値判断を巧妙に操作した恐ろしい成功例
- 最近では、反テロのための軍隊や警察官を育成するPMCが、世界各国でサービスを提供している
本書の最後は、著者がジャーナリスト向けのセキュリティ訓練に参加したときの話で終わっている。軍の演習場を借り、元軍人のエキストラも参加するこの生々しい体験記は圧巻。
正直ある程度は想像はしていたが、ここまできているとは驚き。特に、お金のため、出稼ぎで他国での戦争に参加している人の気持ちを思うとやり切れない。一体何でこんなことになるのか…
※このあたりの話は↓を観ることをお勧めする
http://video.google.com/videoplay?docid=317650881053993410&hl=ja