- 作者: 小宮信夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/08/17
- メディア: 新書
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- 犯罪原因論:犯罪者に焦点をあわせて、犯罪者の人格や境遇に原因を求め、それを除去しようとする
- 犯罪機会論:犯罪の機会を与えないことによって、未然に防止する
という2通りの考え方がある。後者は、前者では解決が困難であることが分かった後に、1990年代に台頭してきた考えである。それは具体的には以下の3点
- 物や人に対して
・抵抗性:標的を強固にする、犯罪がすぐに分かるようにする、犯罪から利益が少なくなるようにする
- 場所に対して
・領域性:障壁により侵入を躊躇させる
・監視性:監視の目を気にすることにより躊躇させる
本書では「CPTED(Crime Prevention Through Environmental Design:環境デザインによる犯罪予防)」と呼ばれる、「領域性」「監視性」を対象としている。公園や道のデザイン、また監視カメラの設置などの物理的なアプローチだけでなく、コミュニティの対応方法など、社会的、人間的なアプローチまで含めて、例を交えて非常に具体的に犯罪を減らす術が述べられている。
犯罪に困っている自治体にとっては、非常に役に立つ書籍ではないだろう。
ただし私のお仕事の情報セキュリティの面から言うと「こうすれば犯罪は防げる 環境犯罪学入門」のほうをお勧めする。