knjrの日記

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記憶力の正体: 人はなぜ忘れるのか?

記憶力の正体: 人はなぜ忘れるのか? (ちくま新書)

記憶力の正体: 人はなぜ忘れるのか? (ちくま新書)

  • 私たちの記憶は最初のうちは急速に、その後、ゆっくり忘れていく。(「エビングハウスの忘却曲線」参照
  • 記憶には「頭の記憶」と「体の記憶」がある。前者は意識的であり、後者は無意識的なものである。後者は自転車の乗り方や道順など、私たちが過去の経験から習得した手順や手続きに関する記憶であり、一度記憶すると、きわめて忘れ難いことが特徴。
  • 場所、匂い、身体状態、感情状態などは、記憶を呼び戻す強力な引き金になる。その理由は、出来事を記憶する際には、その体験の中核だけでなく、周辺的なことがら(場所、匂い、身体状態、感情状態等)も一緒に覚えこんでいるからだと解釈されている。(ラジオ体操の例)
  • 記憶を定着させるには、その事象に対して、なるべく多くの元の手がかりとは異なる手がかりをとの結びつきを覚えておく事がよい。(学校や資格の試験等での勉強法のヒント)
  • 人は睡眠後には誤った記憶を増大させてしまう。その理由は睡眠状態になると、心に思い浮かべる出来事のイメージと、実際に起こった出来事の区別が出来にくくなるから。(睡眠術による記憶の回復には誤りが多い)
  • 忘却するには、何もしないより、別の記憶活動に集中すること効果的である。
  • 私たち人間は、必ず「意味を求める存在」であるため、記憶の細部は忘れ去られ、本質的なものだけが記憶される。記憶を想起する際には、時間的な系列や因果的な系列などに沿って、さまざまなエピソードの取捨選択が行われて再構成され、一種の物語として思い出す。記憶の想起とは、頭の中のどこかに保存されているもをそのままの形で機械的に引き出す(再現する)ものではない。