knjrの日記

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報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか

米国の底辺の人たちの現状をつづったもの。
特に衝撃なのは、「見えない徴兵制」について。貧困層から脱出するためには、軍隊に入るしかないという構図。米国の田舎はそんな状況だと話には聞いていたが、ここまで酷いとは...。

  • 貧困層の高校生に「大学に行かせてやる」と言って入隊させるが、実は数ヶ月後にイラクなどの前線へ行かされ、無事に帰ってきてもPTSDに。大学を卒業できるのは15%だけ
  • 落ちこぼれゼロ(No Child Left Behind)法案の中の一項:「すべての高校は、生徒の親から特別な申請書が提出されないかぎり、軍のリクルーターに生徒の個人情報を渡さなければならない。」→リクルーティングを容易にするため
  • JROTC (Junior Reserve Office Training Corp):貧困層の高校生に対して、軍隊のトレーニングもどきをやらせ、絶対服従の精神を洗脳する。そうすることで、軍隊へのリクルーティングの手間を省く

軍需産業を潤すため、国を上げてここまでやる米国とは一体何なんだと。


実は平行して↓を読んでいだ。

アメリカの巨大軍需産業 (集英社新書)

アメリカの巨大軍需産業 (集英社新書)

米国の建国以来ずっと、米国政府高官と軍需産業幹部との凄まじい交流ぶりだ。いくらなんでも、この密接な関係は日本では有り得ない(と思うが、実際には?)。


2冊を読んで。いくらハード(武器)だけ作っても、ソフト(人)がないとハードは消費されない。そのために世界中で紛争を起こし、貧困層を「捨て駒」として使っている構図が浮かび上がる。
いくらオバマ大統領でも、この根本を変えるのは難しい。アフガンにも増派すると言っているし。