knjrの日記

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パレスチナ問題を知る

軍事や紛争について調べていると、パレスチナイスラエル、アラブの問題を避けては通れない。私のような入門者用に、非常に分かりやすい書籍が2冊あったので紹介する。


アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図 (講談社現代新書)

アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図 (講談社現代新書)

19世紀のシオニズム運動から本書の出版年の1992年までについて、パレスチナの歴史的経緯とその背景を、アラブ諸国イスラエル、欧米諸国などの各国の立場や考えを含めて、非常に分かり易く書いてくれている。
イスラエルアラブ諸国の宗教や民族対立だけでなく、石油利権、東西対立、兵器の実践場などの複雑な問題が入り組んでいることを実感する。


まんが パレスチナ問題 (講談社現代新書)

まんが パレスチナ問題 (講談社現代新書)

”まんが”とあるが、実際には挿絵程度であり、文書もきちんとしている。
ユダヤ教キリスト教イスラム教の違い、それぞれの歴史から、中東戦争の各国の立ち位置や、利害関係を含めて、分かり易く書かれている。特に、関係各国が、その時々の各国の利益に応じて、立場を変えていることがよく分かる。
また↑の「アラブとイスラエルパレスチナ問題の構図」出版後の話である、”インティファーダ”や和平交渉についても説明がされている。
特に共感したのは「米国は米国と敵対している国と戦うのであれば、ゲリラであれ、何であれ見境無くガンガン武器の与える。その結果、一度武器が出回ると回収は非常に困難。特にゲリラとして訓練され育った人は、普通の人には戻れない」というとこと。


いずれも”パレスチナ問題は難しくて…”と思っている人は、まずはこの2冊を読んで見ることを強くお勧めする。
「大仏破壊 バーミアン遺跡はなぜ破壊されたか」でも言っているが、人々の”無知”と”無関心”が一番の問題だと思う。


追記
パレスチナ紛争史 (集英社新書)

パレスチナ紛争史 (集英社新書)

も一緒に読みましたが、キャンプ・デービッドの和平交渉など、著者がリアルタイムに携わった一部については詳しい記述があるのですが、全体的に↑の2冊には分かり易さという面では、かなり落ちる。2冊を読んだ後に、更に理解を深めるのには良いのかもしれない。