knjrの日記

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和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか

一昨日に続き、今回も野球ネタで。
今年もHawksの和田投手が最多勝争いを繰り広げている。
自分は常々、和田投手には松坂のような剛速球も、野茂のフォークや岩瀬のスライダーのような伝家の宝刀のないのに、ここまで活躍できるか疑問に思っていた。

和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)

和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)

本書の読んで十分に納得できた。簡単に言うと、技術的には

  • 回転数が多いため、初速と終速の差が小さいために、球速が130キロ台であっても、打者からは実測より速く見える
  • 研ぎ澄まされた投球フォームと、強さと柔らかさをもった指により驚異的な回転数を生み出せる

の大きな理由に加えて、

  • 投球腕の隠れ
  • リリースポイントが普通のピッチャーよりかなりバッター寄り

だそうだ。


ただそれだけでなく、本書で取り上げている幾つかのエピソードにもあるように、和田投手がメンタル面で優れていること、特にコツコツ努力できる能力物事の論理的に考える能力が大きいと思う。
身体的な素質がありながら、花開かず業界を去っていく選手が多い中、和田投手のような選手の活躍は非常に稀であると思う。プロ野球選手を目指す若い人には是非とも目を通して欲しい書。