元ジャイアンツの桑田真澄氏による野球人生の振返り、引退後の早稲田大学院時代での研究テーマ、自身の野球感などについての書。
- 作者: 桑田真澄
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/03/18
- メディア: 単行本
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「過剰な練習量」「考える余裕の欠如」「体罰とマナーの悪さ」の3点をあげているが、今回は「考える余裕の欠如」を取り上げる。
- アマチュア野球選手は長時間練習を課せられるあま、自ら考える余裕を失っていると推察される。
- 野球はサッカーやラグビーなどの監督が湾プレーごとのサインを出す事が困難なスポーツと比べて、「指示待ちのスポーツ」と言われるが、野球選手として成長を続けるには「自ら考えて主体的に実行する能力」が不可欠である。
- 単に全体練習をこなすだけでなく、自分の課題を自ら見極め、それに適した練習を考える能力。練習量や休息を調節する自立心。試合中のプレーの予測能力。両チームの調子、心理、監督の采配、バッテリーの配球など、様々な要素に対する洞察力や分析力。試合終了後には、評価と反省を行い、今後の練習課題を抽出する「仮説と検証のプロセス」を繰り返す。
- 現役選手に対するアンケートでは70%を超える選手が「監督の指示に従って練習していた」と回答している。確かに短期的にチームの実力をあげるためには、監督が一方的に指示を出すスタイルがのほうが成果がでやすいのだろうが、長期的な選手育成の観点に立つならば、選手が自身で考え、行動し、時には失敗から学ぶ余裕を与えなければならない。
体格に恵まれてはいないのに、あれだけの結果を残したバックには、「常に考えながら野球に取り組んでいたこと」が大きいことがよく分かった(本書でも、高校時代に練習時間を短くすることを監督にお願いしたなど、事例がいろいろ書かれています)。
これは野球だけでなく、我々の仕事でも当てはまることだと思う。「目の前の仕事が忙しくて、考える余裕がなくて...」になっていませんか?