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45分でわかる!政権交代と日本の未来。

45分でわかる!政権交代と日本の未来。 (MAGAZINE HOUSE 45 MINUTES SERIES)

45分でわかる!政権交代と日本の未来。 (MAGAZINE HOUSE 45 MINUTES SERIES)

池上さんが政権交代の意味について、いつものように分かりやすく語ったもの

  • 自民党は、野党になって本来は次に政権をとるために政策を勉強しなくてはならないのに、実際には今どうしていいかわからない状態である。その理由は今までは政権運営を官僚に頼りきって自らで勉強してこなかった為である。
  • 官僚は手取り足取り自民党の政治家を動かしてきていたが、彼らは国民に選ばれた訳ではないので、国の政策を決めるのは本来はおかしい。また官僚は自分が推し進めた政策が失敗しても責任をとらない(とる仕組みがない!)。
  • 八つ場ダムは7割が終わっているというが、実は工事費の7割を使っているだけで工事進捗が7割とういわけではない。これは国交省の説明を鵜呑みにしているマスコミの報道の責任である。
  • 官僚は工事を途中でとめることができない。工事をやめることは先輩官僚がやったことが間違いだったと認める事になる。自民党の政治家も官僚に政策検討を丸投げしていたため、止める事ができなかった。
  • 政権交代の利点は、過去のしがらみがない為に、いろいろな事が変える事ができるようになることである。これが同じ政権であると、過去(=自民党の先輩)のやってきたことを否定する事になるので、事実上、政策を変えるのは非常に困難であった(官僚も政治家も同じ仕組み)。
  • 民主党の政策の背景には政治哲学があるのに、マスコミはそれを解説・考察しないまま日々の新しい方針を伝えるだけであるため、民主党の目指す社会が庶民には見えてこない。これには民主党がきちんと情報を発信しない事、マスコミが伝えない事という2つの原因がある。民主党の哲学・思想の例:子供手当には「子供は社会で育てるもの」、配偶者控除には「結婚するのも奥さんが働かないのもそれは個人の自由(今までは「夫が働き、妻が家庭を守る」)。
  • マスコミも政権交代すべき。数字の一人歩きを許すような報道・論評が横行している。背景には自分達だけで情報を独占しようとする記者クラブの既得権の問題がある。民主党の一部に、既得権を奪う(記者クラブメンバー以外への会見の開放)ような動きがあったため、既存マスコミは民主党に批判的な記事を書いている部分がある。
  • 民主党は今の政権が失敗したら直ちにひっくり返されるという危機感を持つ、野党はいつでも政権をとって代われるぞという政策能力を示す事が重要である。



世の中の評論家連中が言い難いことを「スパッ」と、かつ分かり易く説明してくれている。おそらくこれだけ言えるのは、池上さんの商品価値が高い(TVで視聴率が取れる、著書も売れている)ということが大きいと、個人的には思っている。
池上さんには、今後もいろいろな分野で「スパッ」と、かつ分かり易い説明を期待しています。