knjrの日記

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財務省

財務省 (新潮新書)

財務省 (新潮新書)

元大蔵官僚の榊原氏による、財務省(旧大蔵省)の組織や人材の特徴、官僚の考え方、過去の優秀な官僚などについての書。榊原氏の主張は、「今のようなデフレ時期の消費税増税は誤りである」「TPPは参加すべきではない」など今の財務省の主流派(増税派)とは距離を置く姿勢に共感が持てる。


ここで共有しておきたいのは、「政治主導と官僚の使い方」について


民主主義にとって政治主導は当然のこと。民主党が「脱官僚政治」を掲げることは理解できるが、そのことと官僚組織を敵視することは別である。政治家は知識や経験を持つ官僚を見方につけ、一体となって政権の目的を果たさなければならない。「脱官僚政治」であっても、「脱官僚」であってはならない。実際に池田勇人田中角栄などの大物政治家は、官僚を巧みに使い政策を実行してきた。
今の民主党政権には優秀なブレーンもおらず、財務省に政策の丸投げをしている。政治家自身も、行政や民間での勤務経験もなく、ただ演説だけが上手いだけで、行政や経済の素人である。政治主導をうたっても、それを実現するメカニズムがない。