ITにより物事の変化は複雑に、加速度的に早くなり「一寸先は闇」になった。新しい時代に求められるのは、役割分担ではなく、もう少しそれぞれの分野の境界を低くして、「枠にとらわれる」のではなく「全体観」をもつことが、すべての領域で必要になってきた。
なぜ大企業が突然つぶれるのか 生き残るための「複雑系思考法」 (PHPビジネス新書)
- 作者: 夏野剛
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/09/19
- メディア: 新書
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閉じた系:分野を細分化し、各分野の中で分析が進められたり、理論が作り上げられてきたもの。
複雑系:世の中の現象を部分ごとに切り分けず、”複雑なもの”として全体で考える、対象とするものの境界線を設定しないアプローチ(もともとは物理学や経済学の用語で「全体が部分に影響し合い、要素ごとに切り分けた分析が困難なシステム」のこと)。
補足:今までは全体を俯瞰するようなアプローチをしようと思っても、そもそも専門分野以外の情報を十分に入手する事ができなかったため、「閉じた」発想のなかで議論を行いながら、社会は進化してきた。ところが今は「閉じた系」のアプローチの矛盾が現れている。人類が直面する課題(たとえば環境問題)に対しては、細分化された学問分野だけの知見だけを使っても、そうした課題には対応できなくなっている。その矛盾を解決するために、ITや科学技術が駆使され、さらに複雑系のアプローチが注目を集めるようになったということ。