knjrの日記

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日本経済大消失 生き残りと復活の新戦略

日本経済大消失 生き残りと復活の新戦略

日本経済大消失 生き残りと復活の新戦略

第1章 日本家電メーカー、大敗北の理由

  • 日本の家電メーカーが苦境の陥った原因となった重大な経営判断の誤りは3つ。①設備投資の誤り②生産方式の誤り③マーケティングの誤り
  • 経営の本質は「差別化」。日本企業が目指す方法や、簡単には模倣できない技術力を持ち、少なくともアジア勢には真似されない力を持ち、コスト競争に巻き込まれることを避ける。インテル、IBM、フジフィルム、総合電機メーカー(日立、東芝、三菱)、ダイキン工業など


第2章 自動車敗戦という悲劇は起こるのか?

  • 自動車業界は電気自動車が普及するなどして、直ちに家電業界と同じ汎用品の組み合わせだけで生産される構造にはならない。今の電気自動車では1回の充電で100KMほどしか走れない=消費者の利便性を無視した商品は普及しない。
  • 電気自動車のブームは、EU諸国が排出権取引で一儲けしようと地球温暖化データを捏造した結果に作られたもの。米国では価格が安く大量に埋蔵されているシュールガス革命により、原子力発電からガス火力発電へシフトしている。ということは長期的にはガソリン価格は大幅に下落することが予想されるため、電気自動車がシェアを伸ばすことは非常に難しい。あと10年はハイブリッド車が売れまくるだろう
  • シェールガス革命により、次世代自動車は燃料電池自動車(水素と空気中の酸素を反応させて電気を起こし、モーターを回す)となるだろう。この燃料電池の分野でもトヨタが世界で1歩も2歩も抜きに出ている。
  • 日本の製造業の切り札は「刷り合わせ」技術である。部門や会社境界(関連企業や下請け)を越えて、広く横断的に強力して知恵を出し合うことが必要な「刷り合わせ」技術は、欧米や中国では単独で実現することは難しい。その理由は、「刷り合わせ」技術の背景には、「共助」や「協調」という日本人特有の精神に深く根ざした文化があるから。
  • コスト削減を求めて海外へ工場移転することは「利潤の最大化」を目指す企業としては間違った行動ではない。しかし、そのような競争に勝つための行動が、自国から雇用を奪い、ひいては自国の経済や財政を弱体化することになる。「利益の最大化」を追求する企業よりも、「国民の利益」「国家の利益」を追求する企業に多くのファンができる時代がくるだろう


第3章 日本はデフレを克服できるか

  • 一般的に言われているデフレ原因の順序「物価の下落→所得の減少→消費の減少」は誤りであり、「所得の減少→消費の減少→物価の下落」が正しい順序。

こちらも参考⇒「東洋経済オンライン - 中原圭介の2013年の世界経済を読 - 過度な金融緩和は、国民を苦しめる」
http://toyokeizai.net/articles/-/12111


第4章 成長産業で日本経済大復活

  • 今後も市場の拡大が予想されることで有望な成長産業となりう得るのが、「農業」「観光」「医療」の3つの分野。日本経済を復活させるためには、これらの3つの分野を成長産業に育てることが望ましい。

こちらも参考⇒「東洋経済オンライン - 中原圭介の2013年の世界経済を読 - 安倍新政権は農業・観光・医療を強化せよ」
http://toyokeizai.net/articles/-/12325