タイトルは少々過激であるが、本書で言っている事は今まで一般的に正しいと言われていた、「長期投資と分散投資」=「低リスク」という時代になってきたということ。
- 作者: 吉本佳生
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: 新書
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- 1990年以降、日本の株式市場は下落傾向が続いているので、長期投資でも必ずしも儲かるわけではない
- 国内株式での分散投資については、2004年ころから異業種での株価が連動が強くなり銘柄分散の効果の大部分は消えてしまった。
- 国際分散投資の効果についても、ロシア通貨危機の発生した1998年以降、リスクを抑えた株式投資をめざす機関投機家が、国際分散投資で各国の株を同時に買ったり売ったりするようになった結果、各国の株価指数が強く連動することになった。
- 「株+不動産」、「株+コモディティ(原油、金、穀物など)」の分散投資についても、それらの規模が拡大し流行するようになった結果、これも株価とどんどん連動するようになった。
- 為替相場では長期的に見て円高トレンドであり、長期の外貨投資もすべきではない。
●金融機関が長期分散投資が無効になったことに気づいているのに、顧客にそれを勧める理由は...
- しょせん、他人のお金の運用のリスク制御なんて、マジメにやる気にならないというのが、金融業界の本音だから
- 長期投資や分散投資は、ともかく手数料(信託報酬を含む)を多く稼ぎたいとうい金融機関にとっては、都合のよい投資手法だから
- 流動性の高さ、インフレに対するリスクへの抵抗力を考慮すると、「変動金利型・10年・個人向け国債」が一番のお勧め。
- 社債は買うべきではない。特に近年人気のある「メガバンクの劣後債」は非常にリスクが高く絶対に買うべきではない。
●重要な事