knjrの日記

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佐藤優の「地政学リスク講座2016」 日本でテロが起きる日

  • 日本でもテロが起きる可能性がある。爆弾をつくるような過激派のようなテロは、日本の警察は優秀なので防ぐ事が可能。問題は「グローバル・ジハード」。”引きこもり”のような人が10Lくらいのガソリンをぶちまけて火をつける、これだけでも10〜15人は殺傷できる。トンネル内を走行中の新幹線でやれば大きな被害になる可能性もある。
  • 日本は中東との関係では”中立”ではなく、西側の一員として米国陣営の中に加わっている。米国との軍事同盟国ということではなくて、日本が国際法を守り、国連に加盟していて、経済大国であって、自由と民主主義という価値観を西側諸国と共有する、そのこと自体が問題とされている。
  • イスラム国からみれば、日本でイスラム国を支持しているのは中途半端な支持者。イスラム国は本気なので、どこかのタイミングで「日本でもテロをやれ」という指示をインターネットを通じて出してくるであろう。おそれく目立たない、誰にも気付かれないような人、心の中に闇を抱えている人が「誰か人を殺したいと思った。『イスラム国』なら、仮に人を殺しても”大義”のためにやるのだから天国にいける」、そういったことを信じて行うテロは、事実上防ぎようがない。これが非常に深刻な事態。
  • 中東情勢や流れについて、多くのコメンテータによるTVや新聞のコメントが分かり難い理由は、コメントしている人が、分かっていないから。(佐藤氏が)信用できるのは池上彰さん、東大名誉教授の山内昌之先生、外交官出身の宮家邦彦さん。これらの人々のコメントは、ブレがなく、なおかつ中東情勢と国際情勢の両方の現実を知っているので、注目してよい
  • シャルリー・エブド」紙が狙われたのは、預言者ムハマンドをばかにするようなマンガを載せたからではない。目的はフランス軍の撤退、そのための具体的な行動として①警察官を殺す②マスコミを攻撃にするとうことを決めた。後者であれば、フランスの代表的通信社であるAFP通信や「ル・モンド」を攻撃してもよかったのであるが、警備が厳重で簡単には襲撃できなかったため、比較的有名でインパクトがあり、かつ警備がゆるい「シャルリー・エブド」紙がターゲットにされた。