- 作者: 吉崎達彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/02
- メディア: 単行本
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本屋に並んでいる経済危機本には「ドルが基軸通貨の地位を失う」、「ドルが大暴落する」などの危機を煽るものが少なくない。本書はそれらの意見とは異なり、結局は他に「受け皿」がないので、ドルは相対的なパワーは多少弱くはなるが、ドル覇権世界はしばらく続くのではという。今の経済状況を眺めていると、自分としては、著者の意見に一票。
あと面白かった記述は
- 米国は自らの失敗から学習はする偉大な能力はあるが、外部からの忠告を受け入れたり、外部の失敗からは学ぶような賢明さや謙虚さは持っていない。
- 人間は奢ってもらったことは直ぐに忘れるが、奢ったことはなかなか忘れない(選挙で小額でも寄付をすると、選挙運動に協力するようになる)
- 日本には他国と比べて、長寿の会社が非常に多い。日本人が長く続けることを美徳としているためか。
- 情報の非対称性があると、簡単に騙されてしまうため、非常に危険。常に物事を複眼の視点で見ろ。ジェネラリストであることも必要。
などなど。現状を非常に冷静に捉えて、かつ文章も読みやすい。お勧め本。