- 作者: イアン・エアーズ,山形浩生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/11/29
- メディア: 単行本
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- 離婚確率を予測しているクレジット会社(離婚すると支払い遅延確率が変わるため)
- フライトキャンセルされると、別便への振替は、常連客ではなく、他社へ乗り換えそうな客を優先する航空会社。
- 航空券が現在価格から値上がりするか、値下がりするかを予測するサイト。facecast.com。
- 入社テストの結果から、職場にどれだけ仕事を続けるかを予想している会社。ウォルマート社。
- ダイレクトメールで異なったデザインのものを送り、その応答率の差を計測して、最適なデザインを探す会社
などの民間企業の活用例だけではなく、
- 貧困家庭へのインセンティブは有効な政策かの判断
などの公共政策に対する活用や、
- 系統的な手洗いで、感染症の発生リスクを9割低下させた病院
- 意志が患者の症状を入力して可能性のある原因一覧を出すソフト
などの医療現場への活用などもあるようで、非常に興味深い。
それらはどんどんエスカレートして、営利目的のデータベース集約業者(アクシオム社やチョイスポイント社)の存在や、企業がどれだけ消費者からしぼりとっても取引を続けてくれるのかというポイント(=痛みポイント)を予測するなど、裏では着々といろんなことが進んでいるようだ。
本書の最後のほうには、『銃を増やせば犯罪減少説』のように、間違った分析結果により社会が迷惑を受ける例への警告もある。社会の監視が必要だということだが、これは現実には難しいのではないかと