knjrの日記

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バカヤロー経済学

バカヤロー経済学 (晋遊舎新書 5)

バカヤロー経済学 (晋遊舎新書 5)

世の中の経済の基本や政治のからくりなどを分かり易く説明してくれている。本書を読むと著者の思い通り、世の中の”バカヤロー”度が少しずつ分かってくる。
自分が本書で学んだことを備忘録として

  • マンデル・フレミングの法則:変動相場制の下では、財政政策(公共投資、減税)は効果が無くなる。なぜなら、『財政政策をする⇒国債を発行⇒民間市場の金が減少⇒金利が上がる⇒円高になる⇒輸入が増える』ということは、内需が拡大したのに、輸入したものに金を使う=財政政策の効果は海外に流れてしまう。日本をこれを90年代に何度もやって失敗した。所得や株価はすぐにあがるが、1年後くらいに輸出が下がって相殺されてしまう。また財政政策は政治家にとっても何度やっても効果がないことは実は嬉しい。何度でも自分がお金を配るところを見せられるため。
  • 社会システムはインセンティブに働くようにつくるべき。米国の寄付金控除はそのように作られている。日本ではふるさと納税制度も始まったが、税金は中央省庁が吸い上げて配分することが公正であるという考えが強いので、なかなかそうはならない。
  • 日本の債務はそれほど深刻ではない。財務省の計算方法に問題ある。世界標準的には『ネット債務=(債務−資産)÷GDP=(1000兆−700兆)÷500兆=0.6』だが、財務省は『グロス債務=債務÷GDP=1000兆÷500兆=2.0』としている。いまだに国債が市場で暴落しない理由はこれ。ただしネット債務で100%を越えるようだと暴落する可能性もある
  • ディヴェルジェの法則:一つの選挙からn人が当選できる場合、存在できる政党の数は(n+1)となる。理由は、仮に小選挙区制で考えると、投票人は自分の投票が無駄にならないように、1位か2位の候補者にしか投票をしなくなるため。