- 作者: 羽根田治,飯田肇,金田正樹,山本正嘉
- 出版社/メーカー: 山と渓谷社
- 発売日: 2010/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書のあとがきで書かれているが、羽根田さん2002年の同ルートで同様な遭難事故を取り上げた「ドキュメント気象遭難」で伝えてくれていた教訓が全く生かされなかったことに対して、『正直言って無力感を感じ得ない。・・略・・・。それでも得られる教訓があり、それを自分の山登りにイ生かそうという人が少しでもいる以上、遭難事故の検証は誰かか行わなければならないと思う。』と。羽根田さんの思いが伝わってくる。
本書や公式報告書を読むと、いろいろな問題点により、本遭難が発生している事がよくわかる
- 客はツアー登山へ頼りきり
- ツアー会社の安全管理不備
- ガイド体制の不備(チームワークは全く無し)
- 当日のガイドの気象判断の誤り
- 客の装備の不備
などなど。
でも個人的には、参加者(ガイド、客の両方)個々人が、知識不足や参加者間のコミュニケーション不足により、適切な判断が出来なかったことが全てではないかと。例えばラジオを持っていれば気象情報は入手できたはず→当日の朝に天候が悪いので出発したくないと言うこともできるし、途中で引き返す事も主張できたはず。
登山に足を突っ込んでいる人は、過去のに紹介した著者の書と合わせて、必読の一冊。
事故の概要については、
http://www.veoh.com/browse/videos/category/educational_and_howto/watch/v18811157dFP6d3TF
も参考に