knjrの日記

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他の原発の余震に対する備えは?

マスコミは大きく報道しないが、4/7の余震で他の原発でも被害があったようである。福島の事故の後「規模の大きな余震は今後も続く」と地震学者が発言する中、電力会社は一体何をしているのか。


以下、河北新報の4/9の記事から


【頼りない命綱 安全に疑問 女川原発、冷却一時停止】
7日深夜の宮城県沖を震源とするマグニチュード(M)7.1の大きな余震で、東北電力の女川、東通原発では、使用済み燃料プールの冷却機能が一時停止したり、プールの水があふれたりした。東日本大震災による福島第1原発事故が、なお収束のめども立たない中、地震国・日本の原子力関連施設が抱える課題の大きさが、あらためて浮き彫りになった。


<「共振」原因か>
 7日の地震後、東通女川原発の計4基の使用済み燃料プールの冷却系が一時ストップ。両原発とも、冷却系停止は最大約1時間20分で、温度上昇など大きな問題は起きなかった。だが、詳しい停止の原因などの解明が求められる。
 停止の原因の一つとして疑われているのが、地震の揺れとプールの水が共振する「スロッシング」と呼ばれる現象。2003年に起きたM8.0の十勝沖地震では、震源から離れた北海道苫小牧市の石油タンク内で発生、波立った液面に火が付き火災を引き起こした。
 東北電力が調査したところ、7日の地震ですべての使用済み燃料プールで1.8〜3.8リットルの水があふれていた。07年7月の新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発でも1〜6号機すべての燃料プールから、スロッシングが原因と思われる水のオーバーフローが起きた。
 原子力安全・保安院は「今回の地震でも女川原発でスロッシングが起きた可能性がある」としている。スロッシングにより、プールの水を循環させるポンプの吸い込み口の圧力が急激に変化、女川原発1号機プールの冷却系が停止したのではないかとみている。


<軽油漏れ停止>
 一方、原発は外部の電源供給が無くなっても所内の非常用電源により原子炉の冷却機能などを保つのが大前提。電源はいわば原発の「命綱」であり、福島第1では外部電源の喪失に加え、津波で非常用電源も失われたことが事態を深刻化させる要因となった。
 今回の余震でも、東通原発で2系統あった外部電源が地震のため停止。非常用電源が立ち上がったが、この電源のディーゼル発電機は8日午後2時前になって軽油漏れが見つかり、停止せざるを得ない状況に追い込まれた。外部電源が既に復旧していたため事なきを得たが、非常用電源の停止は、福島第1の事故後だけに、何としても防がなければならない一線だった。
 未曽有の被害を招いた福島第1の電源喪失紙一重東北電力は「事態を重く受け止めている。原因をしっかり分析して再発防止に努めたい」としている。