knjrの日記

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メルトスルーの動画

6月初旬に政府、東京電力メルトスルーの可能性を認めているが(※)、それに関する動画を見つけた。
日経 ECO JAPAN 動画で見る炉心溶融 求められる実態の解明から


ECO JAPANでは、独立行政法人原子力安全基盤機構が事故前に、原子力防災専門官向け資料として作成していた、炉心溶融のシミュレーション画像を入手した。電源喪失や冷却機能喪失により原子炉内部で何が起こるのか。そこには、目視不可能な炉心溶融のプロセスが見事にCGで再現されていた。


 CGは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が基本設計をしたマークI型の沸騰水型原子炉(BWR)で、炉心が冷却不全に陥って生じるシビアアクシデント(過酷事故)を画像化している。フラスコ型の格納容器とドーナツ型の圧力制御室プールを組み合わせた構造で、事故を起こした福島第1の1-3号機のほか同4-5機もマークI型だ。


シミュレーションの想定は、事後発生後に制御棒が完全に挿入され、原子炉(核分裂反応)が停止した後、配管破断で冷却が不可能になったケースだ。電源喪失と配管破断の違いはあるが、炉心部分への注水失敗による炉心加熱は今回の事故と同じである。


配管破断による冷却材流出と注水失敗を想定したCGでは、事故発生後約30分で高温の炉心中央部が溶け、1時間後には燃料支持台を突き抜けて圧力容器下部に落下する。圧力容器は厚さ12〜15cmの鋼鉄製だが、容器下部に落下した高温の溶融燃料は約3時間後には容器を貫通し、容器支持体(ペデスタル)のコンクリート製中間床面に落下。やがて中間床面をも突き破り、さらに下部のコンクリート床面に落ちていく。コンクリートを溶かす過程で発生したガスが容器に充満し、圧力による容器破損を防ぐために、放射能を含むガスを外気へ放出せざるを得なくなる・・・。シミュレーション画像は炉心溶融のすさまじさを“予言”していた。


まさに今回の事象そのまま、想定内で事は進んでいるようである。


6/7の読売新聞から


<核燃料、圧力容器貫通の可能性…政府が報告へ>
 東京電力福島第一原子力発電所の事故について、政府が国際原子力機関IAEA)に提出する報告書の全容が7日明らかになった。


 報告書は、破損した1〜3号機の原子炉圧力容器の底部から溶融した核燃料が漏れ出し、格納容器内に堆積している可能性を指摘した。


 格納容器まで溶けた核燃料が落下する現象は「メルトスルー」(原子炉貫通)と呼ばれ、「メルトダウン」(炉心溶融)を上回る最悪の事象。これまで圧力容器底部で、制御棒の貫通部などが破損し、高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏出したことは明らかになっていたが、政府が公式にメルトスルーの可能性を認めたのは初めて。


 また報告書は、原子力安全規制の行政組織が縦割りで、国民の安全を確保する責任が不明確だったと認め、原子力安全・保安院経済産業省から独立させ、原子力安全委員会なども含めて、体制を抜本的に見直す方針なども打ち出した。
(2011年6月7日14時30分 読売新聞)