knjrの日記

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新版写真のワナ

新版写真のワナ

新版写真のワナ

1994年と20年近く前に出版された本であるが、内容は今読んでも全く違和感がない。


本書の表紙にあるペルシャ湾でのオイルまみれの海鵜の写真を覚えている。当時はその写真で極悪非道フセインのイメージを植え付けたわけだが、実はこの海鵜の写真は、開戦前に別の場所で撮影されたものであったとのことだ。それを当時のマスコミが世界中に広めたのである。


このように他の場所やシーンで撮影したものを本物であるかのように使用したり、写真を合成したりすることは、戦中から戦後にかけて国や場所を問わず行われてきたようだ。本書は「写真は正しい」と思いがちな我々に警鐘をならしている。


特に今は写真の合成など簡単にできる時代。常に何か正しいかを総合的に見抜く分析力が必要になるということか。