リーダーの値打ち 日本ではなぜバカだけが出世するのか? (アスキー新書)
- 作者: 山本一郎
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/12/10
- メディア: 新書
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ビジョンとは綺麗事の一種です。というのも、いくうもある行動の幅のうち、一定のものを「捨てる」ことを意味するからです。
<中略>
ビジョンが策定されることによって、評価される行動や技術や組織があるということは、その一方で捨てられる人材や事業が蓄積がでることに他ならない。
<中略>
「日本のリーダーにはビジョンがない」とう批判は、すなわち日本の社会なり経済なり事業にとってお荷物とされる人たちが切り捨てられるだけの精神的なタフネスや、失脚しないだけの磐石な支持基盤を持たないと言う事を意味します。
そして企業も政治も、だいたいにおいて、トップは下から功績をあげて昇進してきたり、当選回数を重ねて実力を蓄えてきた人々であっても、必ずしも組織全体、社会全体の問題をしっかり認識、把握して手腕を振るう訓練をしていません。私達の社会が持つ閉塞感というのは、ビジョンがないという問題よりももと奥にある、ビジョンを策定できる人が出生しずらい組織風土を父に、仮にビジョンが立ったとしてもそれを実現するために必要な基盤がなかなか気づけない状況を母にした、何とも悲しい生い立ちの子供のようなのです。
なるほど、なかなか面白い分析であるが、それ以上はノーコメントということで...