- 作者: 中室牧子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/06/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 子供へのご褒美は、「テストの点数」などのアウトプットではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに与えるべき
- 子供を褒めるときは、能力を褒めるのではなく、具体的に達成した内容を挙げて褒めることが重要
- 人生で成功するためには学力以外の非認知能力が圧倒的に大切。特に「自制力」と「やり抜く力」の2つが重要。「自制心」は筋肉のように繰り返し継続的に鍛えることで向上する。”自分のもともとの能力は生まれつきではなくて、努力によって後天的に伸ばす事ができる」ということを信じる子供が「やり抜く力」が強いことが分かっている。
- 少人数学級は効果があるが、費用対効果は低い。特に日本のように40人→35人に減らす程度の人数では効果は非常に低い。
- 日本では「生まれながらに持つ能力には差がない」という平等主義的な考え方が基礎になっているが、実際には遺伝や家庭の資源などによる要因が大きく影響している。この結果、子供は努力さえすれば教育によって成功を得られる、別の言い方をすれば、成功しないのは、努力をせずに怠けているからだと考えるようになってしまい、不利な環境におかれている他人を思いやることのないイヤなタイプの人間を多く育ててしまっている。
- 能力の高い教員は、子供の遺伝や家庭の資源の不利すらも帳消しにすてしまうほどの影響力を持つ。
気になったのは、本書で使用されているデータは殆どが米国のでものであること。日本では教育と学力の因果関係に関する研究は非常に少ないし、データを収集する段階で因果関係を証明するようを念頭においたデザインになっていないとのこと。本書をトリガとした今後の研究に期待ということでしょうか。