knjrの日記

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優良中古マンション 不都合な真実: 管理会社、保険、修繕積立金の裏側

 

  • マンションの漏水事故の95%は上階の給湯管ピンホール事故である。
  • ピンホール事故が発生するの給湯管である。給湯管は給湯器と蛇口をつないでいるため専有部にしか存在しない。専有部分で事故が発生した場合には、マンションの管理会社ではなく、専有部の区分所有者の責任で対応しなければならない
  • ピンホールは銅特有の劣化現象で、ピンホール事故(銅管に穴が開く)の原因は、水道水中に含まれる残留塩素。通常は銅は水に触れると被膜を作り、これが緑青になり日まぐが維持されている限りほぼ半永久的に銅は劣化しない。ただしこの被膜が部分的に破られると、化学変化で銅が溶けだして穴が開く。
  • 2000年以前に建築された高経年のマンションでは、そのほとんどで給湯管に銅管が使われている(給水管は鉄であることが多い)。最近は架橋ポリエチレン製になったので、漏水事故がおきるのは2000年以前に建築されたマンションである。築20年超で全戸の10%、30年超で15~30%、40年超で50%の確立でピンホール事故が発生している。
  • このような事実があるのに、報道記事や書籍が極端に少ないのには理由がある。国土交通省もマンションん管理組合の全国組織もピンホール事故の統計を持っていない。発生が専有部分で発生しており、管理組合も感度は低く、当事者も積極的に口を開かないため、情報が取れる体制になっていないため
  • ピンホール事故が発生すると、管理会社経由で修理会社が呼ばれ、緊急対応することになるが、通常は給湯管は床下に設置されているので、修理はフローリングをめくらずに、露出配管という部屋の中を通す方法が取れられることが多い。
  • 給湯管の事故が発生すると、①漏水事故調査費用 ②加害者の配管修繕費用 ③被害者の原状復帰費用などが発生するが、一般的には管理会社経由で設備会社にすべて発注されて、設備工事会社は適当な作業をでっちあげて高額な費用を請求、マンション管理会社もチェックもせずに保険会社に払わせる。管理組合も表上は費用負担がないので、そのことに気にしない
  • このようなことをしていると、結局は次回の保険契約更新時にマンションの保険料が跳ね上がることになり、管理組合・住人に跳ね返ってくることになる
  • ピンホール事故を予防するためには、給湯管を取り換えるのではなく、銅管をライニングする手法がある。国内では「日本リニューアル」など数社がこの工事が可能である。本来、給湯管は共有部なので、給湯管の漏水予防工事はマンション全体ではなく、個々の家庭で行うとの国土交通省は基準を定めていたが、近年は各マンションで規約改定することにより、マンションの修繕積立金で漏水予防工事ができるようになってきている。