みなさんは登山時にドライレイヤをつかっていますでしょうか?撥水性を備えた素材で作られた肌着で、速乾性のシャツの下に着用し、汗の不快感と濡れ戻りを軽減するものです。夏の多汗の時期でも、これを着用しておけば汗による寒さや不快感を感じることがほぼなくなります。
登山メーカのものは高価だったこともあり以前は自分も使っていなかったのですが、友人から勧められてその効果を実感して以来、どの時期でも着用して山歩きをしています。最近は登山メーカー以外の安価なものもでてきていますので、それらを購入して実験中していますので、その状況を共有します。
(補足:もともとはは夏の多汗時期の前に本記事を公開しようと思っていましたが、この時期になってしまいました。)
登山メーカーのドライレイヤ製品
①ファイントラック ドライレイヤー®ベーシック
- ドライ 〇:汗が多い夏場の利用では、汗を次の層に逃がすまでの間に、このレイヤに汗が溜まり冷える場合がある。ただし逃がしてしまえばばドライ感は継続する
- 素材: ポリエステル100%。非常に薄く、撥水性も高い
- 消臭性 〇:汗をかいても臭いはほとんどしない
- 肩部分 〇:縦走用のザックを背負っても食い込みなし。問題なし
- 価格 :Vネック半袖 4950円
- その他:ドライレイヤの先駆け的な製品。高価なだけあり、ドライ性も消臭性も非常に良いが、汗が多い時期は次の層に逃がすまでに時間がかかり少し冷たい。撥水性を維持するため、専用の洗剤の利用が推奨されている(柔軟剤の使用NG)
②ミレー 「ドライナミック メッシュ」
- ドライ ◎:網構造に厚みがあるため、すぐに汗を次の層に逃がすためドライ性は一番高い。
- 素材:ポリプロピレン66% ナイロン28% ポリウレタン6%
- 消臭性 △:汗が乾くと臭いがする
- 肩部分 ×:半袖タイプを使用しているが、肩の部分もメッシュ構造になっているので、ザックが食い込む(タンクトップタイプは肩の部分はメッシュになっていない)。
- 価格 ショートスリーブ 5830円
- ドライ性は一番よいが、消臭性と肩部分の構造がネック
③ミレー 「ドライナミック スルー」
- ドライ 〇:構造的には①と似ているが、若干の厚みあがる
- 消臭性 △:汗をかいて乾くと臭いがする
- 肩部分 〇:メッシュ構造ではないので問題なし
- 価格 ショートスリーブ 4290円
作業着メーカーのドライレイヤ製品
④TS DESIGN 「TS DRY」
- ドライ ◎:網構造に厚みがあるため、すぐに汗を次の層に逃がすためドライ性は一番高い。②の「ドライナミック メッシュ」とほぼ同じ
- 素材:ポリエステル90% ポリウレタン10%
- 消臭性 〇:まだ使用して間もないため臭いはない(調査中)
- 肩部分 〇:メッシュ構造であるが、②とは違い肩の部分はメッシュになっておらず、食い込みもしない
- 価格 ショートスリーブ 2200円
- 感想: ②と類似製品。肩の部分がメッシュになっていないところが高評価
⑤ATION 「クレーターメッシュ」
- ドライ 〇:見た目は③と似たような生地
- 素材:ポリエステル79% ポリウレタン21%
- 消臭性 〇:まだ使用して間もないため臭いはない(調査中)
- 肩部分 〇:食い込みなし
- 価格 半袖シャツ 1080円
- 感想: 今回の製品の中で最も安価。生地の伸縮性があまりない(=着心地がよくない)
⑥おたふく手袋 「3Dファーストレイヤー:JW-521」
- ドライ 〇:見た目は③と似たような生地
- 素材:ポリプロピレン65%・ポリエステル20%・ポリウレタン15%
- 消臭性 〇:まだ使用して間もないため臭いはない(調査中)
- 肩部分 〇:食い込みなし
- 価格 半袖シャツ 1280円
- 感想:安価であるが、ATIONの製品と比べても伸縮性はある(=着心地はよい)し、ドライ性も悪くない(アミアミタイプには負けるが)のでバランスの取れた製品。
発汗や吸水などの科学的なデータはなく、使用した時の感覚としてまとめると
- ドライレイヤには登山用の値段高めの製品①~③と、作業着メーカーの野外作業向け製品がある。価格は前者が後者の2~3倍と価格差があるが、ドライ性はそれほどの差がない。
- これから購入を考える場合、値段を気にしないのであれば、①ファイントラック「ドライレイヤ」、②ミレー 「ドライナミック メッシュ」を購入して使うのが無難。値段を気にするのであれば、④TS DESIGN「TS DRY」か ⑥おたふく手袋 「3Dファーストレイヤー:JW-521」をお勧めする。
(既に①②を所有しているのであれば、④⑥などを購入する必要はない)