knjrの日記

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すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

すぐれた意思決定―判断と選択の心理学

以前に紹介した「後悔しない意思決定 (岩波科学ライブラリー)」と経済行動学とを合わせた内容の本である。個々の章の内容は非常に面白いのであるが、それがきちんと整理されていないため、非常に読み難い(=頭で整理しにくい)のが残念である。
「後悔しない意思決定」と最近出版されている経済行動学の書籍を合わせて読んだほうが、意思決定についての理解はし易いと思う。


本書でのタイトルである「すぐれた意思決定」を実践することに対する回答は、集約すると、常にバイアスは同調圧力などに気をつけ、判断状況を含めた記録をつけるなど、「意思決定の良い習慣を付けろ」ということだそうだ。確かにその通りだ。これだけはしっかり心に留めておこうと思う。


その他に面白かったポイントは

  • 「覚える」ということは元の情報を正確に丸暗記をするのではなく、思い出すことを組み立てる目印を作ること
  • 人間は何もないとところにパターンを見つけて、因果関係を作りたがる →確率的環境に住んでいることを認識する
  • 我々の思考パターンは演繹的思考ではなく、帰納的推論である
  • 人間は情報処理要求を減らすことによって、タスクを単純化する傾向がある
  • 想像力と創造力は判断と選択を行う際に、重要な役割を果たす →評価する能力、選択肢を広げる能力が重要
  • 会議には「悪魔の弁護人:皆の意見に対して、ことごとく反対する役割のひと」の存在が、意思決定のスピードと質を高める。役を事前に公にすることも必要

などなど