- 作者: スタンレーミルグラム,山形浩生
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/11/19
- メディア: 単行本
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「人間は一般的に考えられている以上に、権威に対して服従しやすかった」という実験結果は驚きではある。だがその理由については、自分としては、本書の内容では、今一つはっきりと納得できるものではなかった。
本書を読む上でのポイントは「訳者あとがき」まできちんと読むことである。そこで触れられているように、そもそも問題設定がおかしい、ベトナム反戦運動の中で書かれた(権威への服従は危険ということを強調したかった)等の事柄についても頭に留めておいたほうが良さそうだ。
まー、服従の理由はともあれ、個人的な教訓としては
- 人間は権威に命じられると、自分の判断と責任を放棄しがちな生き物である。なぜならそのほうが考える必要がなく、精神的に楽で、かつ権威からも褒美がもらえるから
- よって権威からの依頼については、その理由や、それによって引き起こされる結果について、よ〜く考えて、判断してから動け
- 判断するためには、その対象領域について、事前に知識を身に付けるておくことが必要
というところであろうか