knjrの日記

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崩壊する世界 繁栄する日本

崩壊する世界 繁栄する日本

崩壊する世界 繁栄する日本

今回の危機で崩壊している世界各国をデータを交えて紹介している。ヘッジファンド国家のアイスランド、石油頼りのロシア、脆弱な貿易国家の韓国、建設バブル崩壊のスペイン、金融詐欺国家の米国などなど。
これだけでも十分面白いが、日本についての記述も更に面白い。

  • 日本の輸出依存度は低い(2007年の輸出対GDP比率でたった15.5%。それに対してドイツ、韓国、中国は40%近い)。実は日本は内需依存国家である
  • 日本政府は、一部の大手輸出企業を守るため(=米国の利益にも一致している)に、意図的に円安に据え置き、国民の購買力を削ぎ落としてきた。その間の一番の被害者は国民と中小企業である
  • その期間に輸出で溜め込んだジャパンマネーは、結局はバブルに浮き立つ国々に供給され、世界の歪みに貢献していた
  • 国民経済が繁栄することは、必ずしもその国の企業が世界トップのシェアを得ることではない。国民が幸福になるかどうかが一番である
  • 日本の借金は、あくまでも日本政府の債務であり、国民の借金ではない。国民から見れば「債権」である。
  • 日本政府の負債は大きいが、同時に金融資産も巨額である(ほぼ日本のGDPと同じ金額!)。他にこのような金融資産を保有する国はない
  • 日本政府の負債は95%以上が民間向けの国債、すなわち円建債務であり、日本の財政破綻は有り得ない。今までに破綻したロシア、アルゼンチンなどは全て外貨建ての対外債務の返済ができなくなったからである。
  • いざとなれば、政府紙幣や日銀の国債買取をしても問題ない



実は同時に

超円高社会 日本が変わる

超円高社会 日本が変わる

を読んでいたのだが、そこで述べているように、円安については結局は献金をしている大企業=輸出企業なので、政府もそちらの顔ばかり見る必要がある⇒円安へ誘導する。またそれらの企業はマスコミへの影響が大きい(CMをジャンジャン買ってくれるなど)ため、マスコミも円安についての否定的な意見は言えない。


また『財政破綻は無い』についても、数日前の日記にも書いたように、↑のように今の借金は対外債務ではないので、ハイパーインフレだけを気をつければ政府紙幣案などで通貨流通量を増やす政策もありなのでは。そこを考えるのが日銀の役目なのではと。