- 作者: 広瀬隆
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/04/17
- メディア: 新書
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- 銀行業務と証券業務の明確な分離を定めたグラス・スティーガル法を事実上撤廃したことが今回の危機の大きな原因である
- 今回の危機を引き起こした最高責任者たち(ロバート・ルービン、ローレンス・サマーズ、ティモシー・ガイトナーなど)が、結局は今のオバマ政権を動かしているところに問題がある※
- 大手証券会社が銀行に合併されても、ウォール街の本質は何も変わらないだろう
- 問題の本質は、ホワイトハウスと投機屋だけでなく、世界銀行、IMF、FRB、格付け会社、エコノミストなどが人事交流をして、一心同体になっていること
など、我々庶民が知りたいことを”スパッ”と書いてくれている。
今後の日本についての提言もある。
このままでは米国の借金の肩代わりをさせられるので『勤勉に働いて、なるべく日本国内で作って、安全なものを買い、ゆとりがあれば米国ではなく、アジア、アフリカ、中南米、東ヨーロッパなどの苦しい国を援助するように切り替えてみては』と。全くその通りである。
また米国の新聞に掲載された一コマ漫画が本書中に幾つか取り上げられている。これも本質をついたものばかりを集めてくれており非常に面白い。
それにしても※に書いたようになってしまうのは、一体なぜだろう。今の金融システムの良いところも悪いところも全部知っているから任せているのか?米国には手が汚れていない適任者がいないのか?それとも裏の手が回っていて、他からの人間は入れないのか?