このお粗末な東電の状況にもかかわらず、CO2温暖化説を信じ、脱原発を選択肢として考える事ができない人が多いようだ。CO2温暖化懐疑説については、過去の日記で書いてきた通りである。
- 作者: 広瀬隆
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/07/16
- メディア: 新書
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まだ日本では地球温暖化がCO2が原因である説を、今や殆どの国民が信じているようである。それは日本のマスコミが「クライムゲート事件」を全くといってよいほど報道しないことが一番の原因だ。一方、海外メディアではかなり報道されているようで、ネット上で「climategate」で検索をかければ、かなりの結果が表示される。
本書のポイントは、地球の問題はイカサマだった温暖化CO2説ではなく、CO2説でカムフラージュされた他にあると主張している。ポイントは・・・
- 体感的に温度は上昇しているように思えるが、それは都市部のヒートアイランド現象であり、CO2が原因の地球規模の温暖化ではない。ほとんどのマスコミは、そこを混同している
- 欧米メディアは、クライムゲート事件により温暖化CO2説を信じたことを反省しているのに、NHKをはじめとする日本の大手メディア各社は無視を決め込んで、国民を擬似エコへ導いている
- 温室効果で温暖化が進行しているというのであれば、温室効果が一番大きいのはCO2ではなく水蒸気である。水蒸気は空気の0.26%であるが、CO2は空気の0.03%しかない。ただし水蒸気による効果を正確に測定できないためか、IPCCは水蒸気による温室効果を全く無視しているのはおかしい
- 結局のところ、地球の営んできた自然の変化により温度は上下しており、それを左右する要素はあまりにも多く複雑なので全く予想はできない
- 地球にとっての危機はCO2温暖化ではなく、窒素酸化物、硫黄酸化物、放射性物質等の地球の汚染であり、森林伐採やコンクリート化などの人間による自然破壊である
- 温暖化CO2説を盾に、原発推進を主張する著名人やマスコミが多い。が、原発は核廃棄物を排出し続けるだけでなく、エネルギー効率は火力発電所の半分程度であり、余った廃熱は海に垂れ流して環境破壊をまねき、さらに遠隔地に原発は設置するためエネルギー伝送時のロスが大きい。
- 電力会社は原発がないと停電すると主張しているが、実は火力発電だけでも十分なエネルギーを発電できる。原発を主張する理由は、電力会社が地域独占会社であることので、料金を高くしてもユーザは高い料金を支払う。そこに電力会社と政治家が手を組んで莫大な投資が必要な原発の建設に熱中してきた。