- 作者: 田中三彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/01/22
- メディア: 新書
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- 運転中の原発の重要な機器は米国のASMEIIIという規格に従っている。規格は技術や設備、理論の向上などにより年々改訂されているが、古い原発は改訂する前の古い規格で設計されている。特に福島など初期の原発は、ASMEIIIの解釈も満足にできないまま作ってしまっている。
- 原発の中で最も高い安全性が求められる原子炉圧力容器が、照射脆化によりかなり弱くなっている可能性がある。理由は、ASMEIIIの初期の頃には脆性破壊について、十分に研究され尽くされていなかったためである。
ちょっと古い本であるので、現在の状況についてはわからない。どうなっているのであろうか?気になる。
以下は参考までに
ASMEとは
そのうちASMEIIIは「原子力施設用機器の製作に関する規則」だそうです。
ASME:米国機械学会(The American Society of Mechanical Engineers)の略称で、米国を中心に世界中にメンバーを有し、機械工学を中心とした分野の規格化や標準化およびそれに基づく認定等の活動を推進している民間団体です。
ASMEは、1914年に早くも動力用ボイラ規格を発行し、その後現在に至るまでボイラ、圧力容器および原子力発電所用機器等の規格を発行し、それらは米国の多くの州においても法律の一部として採用され、また多くの国々の技術基準の基礎となっています。
日本においても、電気事業法、労働安全衛生法や高圧ガス保安法などの技術基準のベースになっています。
(ハートフォードスチームボイラ検査保険会社HSBより引用)
脆性破壊とは
破壊に至るまでにほとんど塑性変形を伴わずにパキっと割れてしまうイメージです。亀裂は高速に伝搬し、破面は平滑なのが特徴です。ガラスや陶器などの脆性材料はもちろん、通常は延性破壊を起こす金属材料でも低温では脆性破壊を起こすこともあります。
脆性破壊が原因となって起こった事故として有名なものは、第二次世界大戦の最中、アメリカ合衆国で大量に建造された規格型輸送船”リバティー船”の話が有名です。
(http://jikosoft.com/ より引用)