- 作者: 松本弘樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/07/07
- メディア: 新書
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ただし著者の主張する投資法にいては、『証券会社が勧めるアクティブファンド系の投資信託については、手数料が高く証券会社の儲けにはなるが、多くはリターンはインデックス系に及ばない。投資するのであれば、インデックス系の手数料の低いETFにしろ』と、ここまではかなり共感できる。特に、アクティブ系ファンドのファンドマネージャーの中には、専門知識もなく購入した銘柄のアナリストレポートを集めて失敗した時の言い訳作りに専念したり、証券会社の接待をうけ証券会社の言いなりに株式の注文を出しているという実態は驚かされる。
また本書の最後の最後で『国債や預貯金はきわめて危険な金融商品である。その理由は、日本国債が格付けの格下げとなり、銀行が国債を買わなくなれば、日本国債はデフォルトする。そうなれば金融機関は大損害を受ける(=預貯金が戻らない)』としめているが、まさにポジショントークである。銀行は投資先がないから、国債を仕方なく購入しているのである。仮に格付け会社が格下げしても、購入をやめれば銀行自身の身に跳ね返ってくることであるから、銀行が日本国債を買わないという選択肢はないのである。著者は投資会社の社長であるので、(自身では預貯金や日本国債が一番安全という事を知っていても)、預貯金や日本国債ではなく、株式市場へ投資をして欲しいというところであろうか。