プレゼントの経済学―なぜ、あげた額よりもらう額は少なく感じるのか?
- 作者: ジョエル・ウォルドフォーゲル,矢羽野薫
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2009/11/12
- メディア: 単行本
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ではどのくらい損失するかというと、著者の調査では100の価値で購入したものが、相手に渡った瞬間に、感情的な価値を抜きにした純粋な現金的な価値は87へ、そのプレゼントを自分ならいくらなら喜んで支払うかという感情的な価値では67にまで減ってしまう。また損失度は、親近の人からのプレゼントより、遠縁の人からのプレゼントのほうが大きいとのこと。
日本ではクリスマスのプレゼントの交換はそれほど一般的ではないので、あまり感覚的には理解できないが、これが米国の経済循環の仕組みの1ピースであることがよく分かる。
ただ最近は日本と同様にギフトカードなども普及はしてきているらしい。
面白かったのは、米国には商品の金額は記入されいない『返品用レシート』というものがあり、受け取った人がプレゼントを気に入らなかった場合、そのプレゼントと一緒にもらったレシートを店にもって行けば返品される。返品の条件は日本より緩く、クリスマス直後には返品の行列までできるとのこと。
著者はこのような巨額な損失に対して問題提起しているが、このようなこをしないと経済は上手く回らないのではと、個人的には考えることが多いこの頃である。