南アルプス縦走のYAMAPの記録を見てみると、平均ペースが90-110%でした。確かにそんなに今回はスピード上げて歩いてはいないのですが、一部の登りでは”そこそこの”速さで歩いていたので、若干感覚と異なります。
同じスマホで起動させていたヤマレコ側の記録も確認してみると、こちらは0.7~0.8になっている。なぜ????
ということで、まずはコースタイムの定義と、歩行ペースの計算方法について確認してみました。
コースタイムの算出方法
YAMAP
YAMAPの地図に記載しているコースタイムは、「登山経験のある40代女性のペース」を想定しています。ややゆっくりめのペースです。季節や天候、個人の体力、活動の種類によって、コースタイムは変わります。ひとつの目安としてお考えください。
https://help.yamap.com/hc/ja/articles/900000968083
ヤマレコ
傾斜や道の種類、距離などを考慮して独自のアルゴリズムでコースタイムを計算しています。
山と高原地図
40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定。設定についてはアルプスと低山帯など山域により基準は異なります。
https://www.mapple.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/04/yamatokogen_manual_iOS_20170120.pdf
今回の南アルプスの実際のコースタイムが以下のとおりです。
YAMAP①とヤマレコ②は合計ではほぼ同じ時間ですが、区間によって時間が異なります。山と高原地図③は全体的に余裕があるコースタイムです。
次に歩行ペースの計算方法についてです。
歩行ペース
YAMAP
歩行ペース表示機能とは、自分の歩行ペースが標準ペースと比較してどの程度速い/遅いかをグラフと数字ラベル(%表記)で示す機能です。
歩いた軌跡の1km区間ごとにグラフとして、また直近の1kmに関してはスピードを数値(%)で表示します。(例:120% = 標準に対して120%の速さ = 標準より1.2倍速い)
一時停止した時間に関係なく、同じ場所に一定時間とどまった場合は休憩時間として計算から省かれます。(例:移動5分、休憩10分の活動の場合、区間の移動に5分かかったとしてペースを計算します)
https://help.yamap.com/hc/ja/articles/900003736526
ヤマレコ
ヤマプラ掲載の「山と高原地図」標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率。
山と高原地図(やまぷら)収録の各コース区間ごとに、登録されたログの時刻とコースタイムを比較した結果です。
各区間の休憩時間を含む時間で比較しており、途中で長時間の休憩を行った場合は、比較対象から外しています。
ヤマレコの歩行ペースがヤマレコのコースタイムではなく、なぜか”山と高原地図”のコースタイムをベースにしているのが不思議です。
以上から、2つの登山アプリの歩行ペースをまとめると
となります。
ここで今回の南アルプス縦走時の各アプリ上で計測した時間から、歩行ペースを出してみました。
- YAMAP= ④/① = 84.3%
- ヤマレコ= ⑤/③ = 83.4%
となりました。各区間のデータもノンビリ歩いた4日目(高山避難小屋以降)以外は、ほぼ80%前後で歩いています。ヤマレコの歩行ペースとはあっているのですが、YAMAPの平均ペースとは数値があわないのですよね。
あとは自分はヤマレコで登山計画書を作成をしているのですが、今回初めてヤマレコのコースタイムで作成する場合と「山と高原地図(ヤンプラ)」で作成する場合があり、どちらかを使うでコースタイムが異なることを知りました(→これについては別途比較してみたいと思います)
今回のまとめとして
- アプリ、ベースとなる地図によってコースタイムは異なる
- アプリによって平均ペースの算出式は異なる(ヤマレコは「山と高原地図(山プラ)」のコースタイムを使用しているので注意)
- 休憩を多くとる場合、それにより歩行ペースの結果が左右される
でしょうか。経験的にもエリアやコースにより異なる場合が多いですから、あくまでも参考として考えるものですね。
あとこれは今回の結果からの考察ではないのですが、いつもヤマレコで計画をたてて登った時の感想として、以下の傾向があると思いますので、こちらも参考まで。
- 上りのコースタイムは緩い。特に斜度が急な場合
- 下りのコースタイムはタイト。特にダラダラと斜度が緩い道を下っていく場合