knjrの日記

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問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界

池上彰氏とフランスの人口統計学者、歴史学者、人類学者であるエマニュエル・トッド氏とのウクライナ戦争に対する計3回、8時間の対談本

  • ウクライナ戦争の最大の責任は、ロシアやプーチン大統領ではなく、アメリカとNATOにある。アメリカとNATOが「ウクライナの中立化」というかねての要請を西側が受け入れてさええれば、容易に避けることができたかもしれない
  • アメリカはさまざまな兵器をウクライナに供与しているが、ロシア領土を直接攻撃しないことを条件にしている。つまりアメリカは、「ロシアとの代理戦争」をウクライナを舞台で戦っている。最大の被害者はウクライナ国民どうしても戦争をするならば、アメリカとロシアが直接戦うべき。第三者を介したような戦争は、道徳的ではないし、非人道的である。
  • 今回のウクライナ戦争に対する西側国民の反ロシア感情は、「ロシア嫌い」にとらわれた西側メディアの影響が非常に大きい。ウクライナ戦争のずっと前から西側ジャーナリストはロシア嫌いという立場であった。
  • ロシアという国は崩壊しないとみている。反ロシア派もそうでない人も、ロシアを攻撃したり批判したいのであれば、まずはロシアがどんな国なのか冷静に知るべきではないか。
  • 中国の関係について。中国はウクライナ戦争に対して常にロシアを支える立場である理由は、中国はロシアが負ければ次はアメリカが中国を攻撃するだろうとわかっているため。また中国はいまの世界的な均衡を守るのは中国であると位置づけ、そのような動きをしている
  • この戦争についての停戦については悲観的。ウクライナでおきている戦争であるが、実際にはロシア対アメリカ。アメリカは負けを認めないし、ロシアは自分が勝ったといえるような状況ではないから。戦争は長期戦になり、どちらかがつぶれるまで戦争は続き、泥沼化、深刻化していくだろう。この先5年は続く(池上氏は10年続くと予想)
  • ウクライナ戦争の、そもそもアメリカの目的は「ロシアとドイツを引き離すこと」。ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプライン「ノドムストリーム」が爆破された事件も「ロシア側の工作」との報道が多いが、アメリカとイギリスが破壊したと確信している。アメリカはドイツ経済を破綻させてたいのではく、あくまでもドイツを(ロシアではなく)西側のためとして保ちたい。