イラク戦争は、米国がイラク政府の大量破壊兵器の保有という大義名分により開始したが、実はその大量破壊兵器保有の情報が虚偽であったこと(米国政府も虚偽を認めている)を知っているだろうか。
本書は米国政府がなぜそのデタラメな情報を信じて、というかイラクと戦争をするための口実として信頼性の低いことを知っていながら情報を利用し、戦争に突入していく過程を明らかにしてくれる。
- 作者: ボブ・ドローギン,田村源二
- 出版社/メーカー: 産経新聞出版
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: ハードカバー
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≪イラク戦争はなぜ起きたのか
ブッシュ政権はニセの大量破壊兵器情報を信じた!
カーブボールとは、亡命イラク人のコードネーム。彼は亡命先のドイツの情報局に「イラクでトレーラー型の移動式生物兵器の開発・製造に関わった」とニセの情報を提供する。情報は米CIAの手に渡り、さらにホワイトハウスへ。ブッシュ政権は確実な情報として捉え戦争に突入する。情報の虚偽が判明したのは開戦後 だった。
不確実な情報がいかにして“確実な情報”となり、戦争の大儀とされてしまったか。正確なインテリジェンスが必要となっている今、本書から学び取れる教訓は極めて重要だ。≫
この話はNHKでも『BS世界のドキュメンタリー「世界を戦争に導いた男」:(2011年9月13日放送 BS1)』として放送されたようです。
1999年、ドイツに亡命を求めたイラク人技術者が、イラクが保有する大量破壊兵器について語り始めた。しかし、それは嘘(うそ)だった。証言は米国に伝えられ、9.11テロ後、イラク戦争を始める根拠として使われた。このドキュメンタリーでは、男を捜し出す一方で、この虚言を巡り、ドイツの情報機関と、CIA、米政府との間で、どのようなやり取りが行われ、米国が、どのようにして戦争へと突き進んでいったのかを描く。
■制作:DR/NDR デンマーク・ドイツ 2011年
今年前半に読んでいたが、安保法案に関連して、ぜひ目を通しておくべき書籍として紹介。