knjrの日記

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戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった

戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった

戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった

シエラレオネで実際に少年兵士として前線に参加させられ、その後リハビリセンターを経て、米国へ移住した著者の貴重な話。実体験だけあって、家族が殺され、恐怖の中を村から村へ逃げまとい、捕らえられた後は兵士として武器を持ち別人格のように殺人を平気でしてしまう。紛争の環境が人を変えてしまう恐ろしさを感じた。


本書中での著者の国連のスピーチでもあるように、少年兵士となってしまうのは以下のような流れによる。
紛争により家族を殺された10歳前後の子供達が生きるために仕方なく軍隊に入れさせられる。そこで家族を殺した憎しみをせき立てられ、相手を復讐するように教育される。子供は従順だからそれに従う。その際に子供達に薬物を与え、殺人に対して悪意を感じないように仕向ける。
更に悪いことに、この少年兵が報復すると、そこで家族を殺された子供達も報復することになり、連鎖がどんどん広がっていく。


シエラレオネの場合は国の内部で産出されるダイアモンドの利権争いが一番の原因のようだ。
Wikipadiaの「紛争ダイアモンド」から引用すると

紛争ダイヤモンド(ふんそうダイヤモンド、英語:conflict diamond)とはシエラレオネなど内戦地域で産出されるダイヤモンドをはじめとした宝石類のうち、紛争当事者の資金源となっているもの。

血のダイヤモンド (blood diamond)、汚れたダイヤモンド (dirty diamond)、戦争ダイヤモンド (war diamond)とも呼ばれる。

ダイヤモンドなど宝石は、国際市場で高値で取引される。産出国にとっては貴重な外貨獲得資源とされるが、その産出国が内戦など紛争地域だと、その国は輸出したダイヤモンドなど宝石類で得た外貨を武器の購入に宛てるため、内戦が長期化および深刻化することになる。とくに反政府組織はこれら鉱物資源による外貨獲得とそれによる武器購入を広く行っている。その際には無辜の人々を採掘に苦役させることから人道上も大きな問題がある。

これら内戦の早期終結を実現するには内戦当事国の外貨獲得手段を奪うのが有力な手立てであり、国際社会はそれに取り組むべきだとされる。内戦当事国に外貨が流れ込まないようにするために内戦国から産出するダイヤモンドなどを、「紛争ダイヤモンド」と定義し、関係業界はそれらを取引の対象外にすることが求められている。

これを防ぐために「キンバリープロセス認証制度」とうものが国連で採択されたようである。これはこれで一つの制度としてはよいのであるが、そもそもダイアモン市場をほぼ独占してきている、米国のある企業(調べればすぐに分かりますが…)が高価格を維持しているから、少しでも安いものを仕入れようとする裏の市場は衰退しない。ここにもメスを入れる必要があるのではと