- 作者: 吉岡友治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/08/18
- メディア: 新書
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意思決定に必要なのは知識の多寡ではなく、『議論の妥当性を吟味する能力である』と。
その他、議論のポイントとしては
- 「**を考えるべきであろう」、「**を考えなければならない」、「一人一人ができることをしよう」などというマジックワードに騙されるな。誰も反対はできないが、実は議論の邪魔をしている
- 議論の方法を学ぶことは、外部と関わりつつも、自律を保つ内面を確立すること。これができないと情報に反応するだけの自動機械になり下がる
- 議論に参加するには「真理への貢献」を共有しなければならない。それによって議論に負ける場合もあるが、それは新しい真理へ達するための通り道である。新しい真理と出会うためには積極的に負けなければならない
- 議論はマンガやTVと違い、積極的に関わらなければ面白くない。逆に言えば一定のテクニックを持つ者にしかアクセスできないが、それがわかれば一挙に巨大な世界が開ける
- 一つの議論で言いたいことは基本的に一つであることが多い
- 難解な用語法は、貧困な内容を隠すためのテクニックであることが多い
- 議論には対立している前提を崩す(弁証法)や共通の前提を探すことも有効である
- 議論は技術である。組み立てる原理と順序がわかれば、材料として何が必要か、自分にどんな準備が必要か、どんな加工ができるかということが明確になる。
などなど
本書の例題でとりあげられいた「移植くじ」の問題は面白い。Wikipediaにも「臓器くじ」として載っていた。
確かに考えるいくと頭が混乱してくるが、「民主主義<個人の尊厳」であることがキーであることなのだ。
今世界中で問題なっている「グローバリズム」についての問題も、最優先されるのは「世界中全体の平均的な幸せ」ではなく、特に途上国の人たちの『個人の尊厳』であることだとういことなのだ。すっきりした。