knjrの日記

登山、鉄道、写真、カメラ、旅行、読書記録などの思いつくままに

わたしが正義について語るなら

子供と一緒に見始めた「アンパンマン」。本書に読むと、やなせさんが伝えたいメッセージがわかり、「アンパンマン」が単純な子供向けアニメではないことがわかった。本書には、メッセージの内容と、そのように考えるに至った体験が書かれている。子育てで「アンパンマン」を見ることになる人にお勧めの書。

  • 戦後の米国のヒーロー、スーパーマンスパイダーマンは派手派手しい服を着て敵対する悪役をやっつけるが、やなせさんにはそれが変に思えた。現在もいろいろな国で飢え死にする子供はおり、国で戦争がおきると、戦争している同士は両方正義だと言って戦っているが、子供のことは見てやらず次々に死んでいく。やなせさんの中では、まずで飢えた子供を助けに行くのがヒーローである(これは戦争を体験して感じた一番大きいこと)。(そこからアンパンマンの登場のヒントとなっている)
  • 正義はある日逆転する。逆転しない正義は貢献と愛。正義は何かというのは難しい。後になって気がつくことはあるけど、その時には何が正しいのか分からない。昨日まで正しいと思っていたことが明日には悪に変わるかもしれない。
  • 悪を見破るのは難しい。ばいきんまんジャムおじさんに変身すると、一目でばいきんまんが変身しているとわかるのに、(アニメの中では)みんなが「あ、ジャムおじさん」と騙されてしまう。それは現実の世界も同じで、悪いものは、いかにも悪いものという感じで現れるとは限らない。我々の社会は、なんであんなことで騙されたんだろうということで簡単に騙されるものである。
  • 悪人といえども全部真っ黒な悪人ではないし、善人であっても完全な善の人はいない。人間とはそういうもの。そのキャラクターが二重人格のキャラクターであるロールパンナ
  • やなせさんが「正義」という言葉に込めた思いは、「アンパンマンのマーチ」の中にある