- 作者: 田原総一朗,上祐史浩
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2013/11/05
- メディア: 新書
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上裕氏は地下鉄サリン事件ではなく他の事件で有罪判決をうけ95年に逮捕、99年まで服役。その後オウムを事実上引き継いでいた「アレフ」の代表となるが、2007年にアレフを脱退し、今はオウムの批判する「ひかりの輪」という宗教団体のトップだそうです。
上裕氏によれば、「宗教的な妄信が起こるには、さまざまな条件が揃う必要があるとのこと。氏の場合は、以下のような条件だったそうである。
- 元々、超能力、UFO、霊的体験などに神秘的なものに興味があった
- 日々の仕事の中で満たされない、自己評価されないなどの環境にあった
- (この宗教に入り込めば)自分はこの世の中に必要な存在になれるのだという自尊心を刺激された(具体的には、教祖から「君や特別な存在だ、菩薩だ」と言われる)。→その結果、教祖への好意や信頼が生まれた。
- さらに、空中浮揚などの神秘的な部分についても、合理的な根拠がなくても「信じたい」という心理が働き、信じることになった。
- 集団の中では、自己を捨てて帰依できるかどうかが重要とされ、普通の人には従えない不合理な指示に従う弟子が優れているとされるので、結果的に「思考停止状態」になった。