knjrの日記

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検察崩壊 失われた正義

今回の選挙の焦点は「原発、消費税、TPP」の3つであることは明確だが、個人的には「検察改革、記者クラブ問題」も焦点にするべきだと思っている。本書はその1つ「検察問題」を取り上げたもの↓。

検察崩壊 失われた正義

検察崩壊 失われた正義

著者は検察問題に対し鋭い突っ込みを続けてくれている郷原氏。本書はその郷原氏と4人の対談。今回はその中からラテン歌手の八木啓代さんとの対談を。
八木さんは小沢事件後に市民団体「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」を立ち上げ、代表として活動されています。その理由を本書から引用します。(赤字は私がつけました)



私の視点をお話しします。日本で、歴史的な政権交代が二〇〇九年にありました。日本の場合は大統領制でなく、衆議院で一番多く議席をとった政党の代表が総理になるという形をとりますから、あの時点で、もし西松建設事件での検察捜査がなかったら、民主党が政権をとった段階で、おそらく小沢代表が総理になっていたのは間違いないと思います。それが喜ばしいことか、小沢氏が好きか嫌いかという問題は全く別として、民主主義の下で、選挙で民主党が選ばれた以上、代表の小沢氏が総理になるというのが当然です。


 ところが、検察の捜査によってそれが阻まれてしまった。しかも、この検察の捜査自体に非常に大きな問題があったということになると、これは私の見方からすれば、クーデターです。


 日本でそういった視点を持っている方はあまりいないと思いますが、これはどう考えても、日本という国で検察が起こしたクーデター、民主主義が踏みにじられた問題です。これが許容されるということになると、検察はこれから気に入らない政治家に対していくらでも起訴立件を試みることによって、本当に、思い通りに政治を動かすことができる。逆に政治家の方も、それを恐ろしいと思ってしまうと、絶対、検察に逆らうことができなくなってしまいます。日本の検察の起訴有罪率は、世界的に見れば信じられないほど高い九九・七%という高率ですから、これは行政が、司法と立法を完全に支配しているという状態です。


 これはとんでもないことだと思いました。ところが、日本では、それほどそういった議論が盛り上らないし、むしろ小沢氏が好きか嫌いか、という問題に収斂されてしまっている。そのことを含めて検察問題に危機意識を持っていたところに、前田検事の問題が起こった。検察で、こういった証拠の改ざんまでが行われ、その調査がきにちと行われないもんだとしたら、これはもう黙って見ていては大変なことになると思ったのです。


また八木さんはラテンアメリカで活動している中、メキシコ版の小沢事件を紹介もしています。2つの事件の類似点には驚かされます。詳細はこちら↓
http://9123.teacup.com/uekusajiken/bbs/10240
このメキシコ版小沢事件については、2012年3月28日に開催された「検察・司法・マスコミを改革せよ!」の中で、八木啓代さんが講演されています。