knjrの日記

登山、鉄道、写真、カメラ、旅行、読書記録などの思いつくままに

保育園義務教育化

保育園義務教育化

保育園義務教育化

  • 大都市で保育園が不足する理由は、国の基準をみたす保育園の面積や保育士の配置をクリアしていると「儲からないから」。
  • 子供の教育は乳幼児期に一番お金をかけるのがよいというのが定説になっている。特に意慾、忍耐力、自制心、想像力といった広い意味で生きていくために重要な「非認知能力」は、集団の中で磨かれるのであり、良質な保育園の中で身につけることができる
  • 保育園無償化ではなく、保育園義務化として主張している理由は、「義務教育」と呼ぶことで、子供を保育園に預けるときの「後ろめたさ」を感じてしまう人の抵抗感を軽減できるから。また育児の外注化を嫌う人に対し、「お上」からの命令ということで、容易に納得させることができるため
  • 先進18か国の調査の結果、保育サービスなどの拡充によって働く女性が増えた時に、その国の経済成長率は上がる。保育園義務化は少子化解消だけでなく、日本経済の成長にも貢献するアイディアである
  • フランスでも1970年代に少子化が問題になり、働く女性が批判され、第三子以降の子供手当を大幅に拡張するなど女性に家にいてもらう政策をとったが、失敗に終わった。1980年代にミッテラン政権になり、少子化よりも「女性の自立」「男女平等」が大事だと考えられ、保育園の設立、ベビーシッターの支援、子供手当の第一子までの拡充、出産後も働きやすい環境の整備が熱心に行われた。その結果、2014年には合計特殊出生率が2.08まで回復した。
  • 移民で少子化を解決するという手法は、今のヨーロッパで噴出している問題を見ればわかる通り、文化や言語の軋轢など、様々なコストがかかることがわかっている。特に経済的に貧しい意味が来ても、単純な労働者にはなってくるだろうが、リッチな消費者にはなってくれないだろう
  • 「子どもは3歳までは、常に家庭において母親の手で育てないと、子どものその後に悪影響を及ぼす」という「三歳児神話」は、今では国も公式に「合理的な根拠がない」ものだと否定している。その神話は、1961年に始まった三歳児検診が起源と言われている。この時の厚生省児童局長が「事情の許す限り、母親は職場から家庭へ戻してください」という考えの持ち主だったため、マスコミを巻き込んでの「三歳児神話」の普及がどんどん進んでいった。それに加え、1979年に小児科医の久徳重盛氏のベストセラー「母原病」という本の中で、三歳児までに保育園に預けられた子供は基本的な人間形成に障害があらわれやすいと断定したことも、追い打ちをかけた。三歳までの教育が大切だということと、それは母親がすべきという主張は全く別のものである。「母親だけが子供を育てる」というのは日本の伝統でも何でもない。大正時代の都市部で始まり、昭和の時代に庶民の世界に拡大していっただけ。専業主婦というのは1960〜1990年頃の日本経済が好調だった時代の産物であり、伝統でも何でもない