knjrの日記

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決定版 マインド・コントロール

決定版 マインド・コントロール

決定版 マインド・コントロール

  • 広義のマインド・コントールとは、人が自分以外の人や組織から精神的な影響をうけ、自分が意識しない態度、思想、信念などが強く形成され、それにすっかり凝り固まってしまい、心や精神が支配されているように見える状態キリスト教イスラム教などの宗教、教育ママと子ども、スポーツ選手とコーチなども広義のマインド・コントロールに含まれるので、全てのマインドコントロールに問題があるわけではない。

  • 問題視すべきマインドコントロールは、目的、方法、程度、結果などを見て、それが「法規範」や「社会規範」から大きく逸脱している場合である。例えば教団にカネを貢がせること、本人と親や家族から強制的に引き離す、睡眠をとらせない・食事を与えないといった方法で思考能力を奪う、メンバーの対人関係や個人的自由を奪う、集団を離れようとすると恐怖を感じる脅迫や強制的な連れ戻しがある、性のような個人的問題について細かい指示がある、法に触れるような詐欺、盗み、暴力、殺人などを指示される
  • マインド・コントールが戦争捕虜のような洗脳と大きく違うのは、洗脳は監禁状態がなくなれば解けやすいが、マインド・コントロールはそうではない。マインド・コントロールでは、精神的な強制を受けていても、外形的に強制する要素がないため、本人が思想を自分で選んだかののように錯覚してしまう、本人が自由意志の結果だと確信する”信念の体系”ができあがってしまっている
  • マインド・コントールが始まるときは、人が「好ましい」「利益になる」「大きなプラスになる」と感じるやり方が駆使され、とても魅力的で心惹かれる場合がほとんど。そのやり方は『影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか』で書かれている6つの原理(返納性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性)を活用している
  • 問題のあるカルト的な団体のマインド・コントールでは、相手に脅迫的な観念を植え付け不安や恐怖を煽る「強迫観念」と、自分以外の誰かに頼る依存心が膨らみ、自分でものを考えられなくなる「依存心」の手法が使われるのが典型的である。
  • 深いマインド・コントロールから元の状態に戻るには、「自分がマインド・コントロールされていったプロセスがどのようなものであったかを理解し、自分が主体的に選んだと思うのは錯覚で他者からの強い影響をうけてそうなったのだ、とわかる必要がある」。そのためには家族や一般のカウンセラーではなく、多くの経験やカルト側の手口などを熟知した「脱会カウンセラー」に相談することが基本。カウンセリングを始めても、最初のうちはいマインド・コントロールの状態にある人は、常識的な話や普通の会話が一切通じない。そのためカルト側の考え方や、思考の枠組み、言葉の使い方を知ったうえで、コミュニケーションを成り立たない。