knjrの日記

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たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する

一見ランダムでないように見えるパターンが、実は純粋な偶然によって起こりえることについて述べた本。
この手の本は、「まぐれ」「ブラック・スワン」「不透明な時代を見抜く統計思考力」など過去に何冊か読んでいたが、本書は事例も多く復習の意味でも楽しむことができた。2つほど新しいポイントを…

  • (分離脳患者の実験の例から)人間の右脳は客観的に見ようとしているのに対し、左脳がそれらの中にパターンを見つけようとする動きをしている
  • 人間は自分が何もコントロールしていないという感覚は、ストレスと病を引き起こす。よって何かをコントロールしていると感じる心理的欲求により、ランダムな事象の正確な認識が阻害されている(=無理矢理パターンを見つけ出そうとする)



そのほかにも、いろいろと面白い例があったので、備忘録として

  • ロジャー・マリスのホームラン記録は、標準のマリスのモデル(14.7打席毎に1ホームラン)を考えると、32年に一度は60本を超えることができる(注意:マリスは61本でルールの記録を破っているが、それ以前も以後も年間39本が最高程度の選手である)
  • 240万本に対して500本の当たりがでる宝くじで、一度当たった番号のリストを抹消しないような仕組みにしないと、5%の確率で1本で2度当たる事象が発生する
  • 『モンティ・ホール問題』の解も、ドアが100枚あると考えると分かり易い
  • 統計確率については、当時のヨーロッパ市民の中で盛んだったサイコロ博打の必勝法を考える中で、ガリレオパスカルも必死に取り組んでいらしい。
  • 双子の赤ちゃんがいて、”二人のうち一人が女の子だとすれば、二人とも女である確率は50%ではない※
  • iPodのランダムシャッフル機能は、真のランダム選曲とした場合に、ユーザが「(同じ曲の繰り返しが発生するため)ランダムでない」と感じることを避け、少しランダムでなくしている
  • 小さな偶然が雪だるま式の効果を生み出し、特定の事象が発生する(映画や歌のヒットではよくある)。バタフライ効果













(答え:33%)