knjrの日記

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海老沢泰久さん往く

ノンフィクション作品で有名な海老沢泰久さんが13日に亡くなった。59歳、まだお若い。死因は十二指 腸がんだったそうだ。山際淳二さん、佐瀬稔さんなど、スポーツノンフィクション系の草分け的な方がまた逝ってしまった。


私にとっての海老沢さんは、スポーツは「見る」だけではなく「読む」楽しさもあることを教えてくれた人だ。


実は昨日までのインド旅行に『ヴェテラン』を持参していた。妻が旅先で読もうと思って私の書棚から持参していたのだが私も再読していた。著書の中でも、この『ヴェテラン』は、私が学生時代に一番プロ野球に興味のあったころの選手達の心情を綴っている部分が好きで、何度も読み返していた本であった。まさか帰国後にこんなことになるとは、非常に残念である。


著書の良いところは、そのスポーツや分野が専門でない人でも、本文中に自然な形で説明が加わっているために、自然に読んでいけることである。プロ野球以外でも、F1やゴルフ、さらに『美味礼賛』では料理の分野まで広げていた。


最近はコラムや短編小説などの活躍が中心だったようで、プロスポーツの”選手”に特化したような作品は無かったと記憶している。出版社にはNUMBER誌に過去に掲載された『'95千葉ロッテマリーンズの真実』など、まだ文庫化されていないものがあれば、是非とも表に出るようにしていただきたい。


海老沢さんのご冥福をお祈りします。


ヴェテラン (文春文庫)

ヴェテラン (文春文庫)

F1走る魂 (文春文庫)

F1走る魂 (文春文庫)

美味礼讃 (文春文庫)

美味礼讃 (文春文庫)