knjrの日記

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欲張りで懲りないアメリカ人

欲張りで懲りないアメリカ人 (祥伝社新書166)

欲張りで懲りないアメリカ人 (祥伝社新書166)

今回の金融恐慌について、ウォール街や財界の対応について記述した本は書店にあふれているが、その背景の米国庶民の考え方、行動について書いている本は少ない。
本書では、米国内で不動産オーナー(大家さん)をしている著者が、いかに米国人が「平気で嘘をつく」「けっして謝らない」「我慢をしない」かについて語っている本である。
読んでみると、ある程度は予想はしていたが、ここまで傲慢なのかと本当にビックリする。

  • 40、50代でも貯金がゼロ(できないのではなく、しないのである)
  • 金利計算などの計算も出来ないから、金銭管理をしていないので借金漬けになる
  • 欲しいと思ったものは「金を貯めて買う」という概念が全くない
  • 低所得者だけではなく、中所得者(年収1000弱)も似たような状況(ガイトナー財務長官も!)
  • そのような○○を相手にしている貧困ビジネス(高利貸し、クレジット会社など)は繁盛している



さらに庶民レベルから「嘘をつくのは当たり前」の文化になっていることについても、いろいろと実体が書かれていて面白い。
本書の中で著者が以下のように言っていることがよく分かる

はっきり言って、不動産バブル、サブプライム問題は庶民からウォール街連邦政府まで、不正行為の積み上げで生まれたものであるといえる。
米国庶民の現状を知ってもらうために、是非とも読んで欲しい一冊である。


これを読んでいると、紙幣を印刷しまくってジャブジャブの状態になりつつある今、米国民の考えがそう簡単には変わらないことを考慮すると、またバブルが発生して借金を踏み倒し「俺のせいじゃない」と責任逃れをするのは目に見えている。


米国に借金を踏み倒されないようにするため、今後は少しずつでよいので、米国から距離を置いていくことを新しい政権には期待したい。